モーリス・ブランショ

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来るべき書物 ちくま学芸文庫

モーリス・ブランショ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480095060
ISBN 10 : 4480095063
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

20世紀フランス最大の文芸批評家モーリス・ブランショの代表作。「作品とは、作品に対する期待である。この期待のなかにのみ、言語という本来的空間を手段とし場所とする非人称的な注意が集中するのだ。『骰子一擲』は、来るべき書物である」。そしてブランショは、作品の奥行、あるいは作品群が構成する世界のみならず、作品を作り上げる作者の精神そのものと直接対峙する。取り上げるのは、マラルメ、プルースト、アルトー、ルソー、クローデル、ボルヘス、ムージル、ブロッホ、ジューベールなど。燦然たる輝きのもと、作品や作者のイメージを一新させる、鮮烈で深い、全26章の批評集。

目次 : 1 セイレーンの歌(想像的なものとの出会い/ プルーストの経験)/ 2 文学的な問い(「幸福に世を終えられそうもない」/ アルトー ほか)/ 3 未来なき芸術について(極限において/ ブロッホ ほか)/ 4 文学はどこへ行くか?(文学の消滅/ ゼロ地点の探究 ほか)

【著者紹介】
モーリス・ブランショ : 1907‐2003年。20世紀フランス最大の作家・批評家。極右機関誌「コンバ」にて文筆活動を開始するが、のち、非共産主義的左翼批評家・作家とも交流するようになる

粟津則雄 : 1927年愛知県生まれ。フランス文学者、文芸評論家、詩人。日本芸術院会員。文学・芸術分野に多くの仕事がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • zirou1984

    通称"顔のない作家"こと戦後フランス最大の文芸批評家、ブランジョが50年代に発表した小論を集めた批評集。エクリチュール(文章表現)は書かれた直後に作家から切り離され、書き手は不在になるという主張から成される文学的考察は難解ではあるが、「読まれること」そのものに対する思索を深めることで文学の可能性を切り開いたという点では後続の思想家に与えた影響力大。文学は日常を超えた所にあるからこそ死や実存というものを取り扱えるのであり、そうした非日常的な問題の本質が問い直される度にまた、文学の可能性も更新されていくのだ。

  • しゅん

    書物を読むこと、書物を書くこと。繰り返しは徒労でしかないが、徒労を複数に、複雑に組み合わせることである豊かさへと変換される。その点を考慮すれば、「文学」は「労働」や「生活」と相反するものではない。しかし、豊かさはA地点とB地点の反復が約束された上でのことかもしれない。あとがきで描かれるカフカとブランショのように、目的地のない「無限の彷徨」の場合はどうなるのだろう?この本を読みながら、そんな考えが到来する。ヘッセとムージルを読み返そうと思った。

  • ラウリスタ〜

    かなり分厚い本。マラルメが立ち向かった問題とか、その他いろいろな作家、作品について語る。もっとも、書評から始まる批評といった感じで、結局は彼の文学観が語られていくことになるのだと思う。文学についての文学とは、なにか奇妙に空虚な印象を与える。無について語ることに近い。ブランショは、マラルメのように、文学すること自体に目を向けるから、その批評は非常に抽象度が高く、何を言っているのか分からなくなる。『来るべき書物』は、まだ存在しない本。バルトが小説の作り方について講義することとも近い本なのか。

  • なっぢ@断捨離実行中

    20世紀フランス最大の文芸批評家とされているだけあって、当然ながらその思想は難解を極める。来るべき書物とはマラルメが「賽の一振り」で示唆した未だ存在しない書物のこと。「Aではない、Bでもない」と否定を積み重ねていく論述スタイルは今なら(取り分け我が国では)否定神学と揶揄されかねないが、メタ化して問題の解決に向かいがちな哲学者とは異なり、アポリアと粘り強く付き合う姿勢はやはり文学者としてあるべき姿だし、また強みでもあるんだろう。通俗的と馬鹿にされがちなヘッセのような作家相手にも真摯に取り組む姿は感動的。

  • Happy Like a Honeybee

    言語は語るのでなく、存在する。言葉のなかでは、何も始まらず、何ものも語れない。 抽象的で厳しい書物だった。苦しむと考えることは密やかな形で結ばれている。なぜなら苦しみとは、極度になると苦しむ能力を破壊するからだ(P90) マラルメやバルトなどへも鋭い指摘が。一度で理解できるほど容易くない。

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