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かくも甘き果実

モニク・トゥルン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087735178
ISBN 10 : 4087735176
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「小泉八雲」となった男ラフカディオ・ハーンを愛した、3人の女たち。あなたを語ることは、あなたを蘇らせること―。母、最初の妻。二番目の妻。陰の存在だった彼女たちの「声」が、時を超えて響きわたる。

目次 : エリザベス・ビスランド(1861‐1929) 1906年、ニューヨーク/ ローザ・アントニア・カシマチ(1823‐1882) 1854年、アイリッシュ海/ エリザベス・ビスランド(1861‐1929) 1906年、ニューヨーク/ アリシア・フォーリー(1853‐1913) 1906年、シンシナティ/ エリザベス・ビスランド(1861‐1929) 1906年、ニューヨーク/ 小泉セツ(1868‐1932) 1909年、東京/ エリザベス・ビスランド(1861‐1929) 1906年、ニューヨーク

【著者紹介】
モニク トゥルン : 1968年南ベトナム・サイゴン(現ベトナム・ホーチミン市)生まれ。6歳のときに戦争難民としてアメリカに移住。イェール大学卒業(文学専攻)、コロンビア大学法学大学院修了(法学博士)。2003年刊行のデビュー作『ブック・オブ・ソルト』がニューヨーク公立図書館若獅子賞、PEN/ロバート・W・ビンガム賞などを受賞、14ヶ国で出版される。“Bitter in the Mouth”に続く第三長編となる『かくも甘き果実』は、ジョン・ガードナー小説賞を受賞、パブリッシャーズ・ウィークリーの2019年ベストフィクションにも選ばれる。2021年ジョン・ドス・パソス賞受賞

吉田恭子 : 1969年福岡県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。ウィスコンシン大学ミルウォーキー校英文科創作専攻博士課程修了。現在、立命館大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Willie the Wildcat

    『文豪夏目漱石』で、漱石氏の八雲評を拝見し、本著を手に取る。エリザベス、アリシア、そしてせつ、3人の女性の視点を通した半生記。複雑な家庭環境と独学、辿り着いたシンシナティでの記者職が、再出発の起点。翻訳・執筆業が日本への架け橋となり、滞在先で運命の出会い。せつの物語好きが、「ヘルンさん言葉」を経て氏の執筆の素材に転換。思いの込められた手紙、そして思わずグッとくる最期の場面。”猫のヒノコ”も印象的。一方、東大での氏無念の思いを知る漱石氏。国籍変更を含め、時勢が八雲を縛る感。

  • キムチ

    初読の女性作家。6歳でベトナム難民として米移住。一人の男性(P・R・ハーン)に関わりを持った3人の女性の言葉を通して ハーンを浮き上がらせる試み。@生母カシマチ:ギリシャ圏支配階級の出自、軟禁的家庭環境から逃れるべく英士官と恋に。渡英したが異端視的温度に耐えられず帰郷A渡米したハーンが最初に結婚した相手アリシア:米南部元奴隷、語り合う関係から非対称化、別離B有名な日本人妻セツ:パパさん、ママさんと呼び合う温もりのある家庭を築けたC3人3様の語りがシャッフルされるが如く、ハーン研究家ビスランドの書簡抜粋が。

  • たま

    ラフカディオ・ハーンにゆかりの女性たち、母(ギリシャの島でアイルランド系軍人の子を産む)、アメリカの妻(アフリカ系女性でシンシナティで下宿屋の料理人、南部料理の描写がいい)、日本の妻(士族出身で生家と養家両方の家族を養う)の語りとハーン評伝の抜粋から成る。19世紀後半帝国主義時代、抑圧のもとで生きる〈現地妻〉たちが、ハーンとの感情のあや、自分なりの打算を、言葉がまともに伝わらないことを危ぶみつつ(文盲だったり英語を解さなかったり)語る。着想が面白く、語りの細部の豊穣さ、異国情緒が実に魅力的な本。

  • olive

    朝ドラ「ばけばけ」が面白いのでラフカディオ・ハーンと小泉セツのことが知りたく読む。語り部は国籍も言葉も違う三人の女たち。なんともまぁ!ままならさが溢れている物語なんでしょうか。ラフカディオ・ハーンの心身をケアし言葉を尽くす。女たちの語りを食べ創作に落とし込むラフカディオ・ハーンなのに、外に向けて言葉を持つことを許されなかった女たち。物語の”妖怪”は誰なのか?女たちの物語を食べるラフカディオ・ハーンなのか。それとも、人間になりたい!と心の中で叫びながらも本心は見せぬ女たちのしたたかさなのか。

  • 星落秋風五丈原

    3人の女性が語るラフカディオ・ハーン。

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