モアメド・ムブガル・サール

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Books

人類の深奥に秘められた記憶

モアメド・ムブガル・サール

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087735253
ISBN 10 : 4087735257
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
野崎歓 ,  

Content Description

1938年に一冊の本でパリの文壇の話題をさらい、剽窃のかどで消えてしまったセネガル人作家T・C・エリマン。彼は一体何者だったのか?現代のくすぶる若手小説家ジェガーヌがその軌跡を追い求めるうちに、エリマンを巡る物語は語り手を変え、時を超え、パリ、アムステルダム、ブエノスアイレス、ダカール、セネガルの名もなき村へと舞台を変貌させていく…。文学へのあくなき欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説。

目次 : 第1の書(「母グモ」の巣/ 夏の日記/ 本質的な書物についての三つのノート(T・C・エリマンの日記からの抜粋))/ 第2の書(ウセイヌ・クマーフの遺書/ 震動のさなかでの三つの叫び/ 調査する女たち、調査される女たち ほか)/ 第3の書(友情−愛×文学/政治=?/ 死文/ マダグの孤独)

【著者紹介】
モアメド・ムブガル・サール : 1990年セネガルのダカールに生まれ、パリの社会科学高等研究院(EHESS)で学ぶ。現在はフランスのボーヴェ在住。2014年に中篇小説『La Cale(直訳:船倉)』でステファヌ・エセル賞を受賞し、2015年『Terre ceinte(直訳:包囲された土地)』で長篇デビュー、アマドゥ・クルマ文学賞とメティス小説大賞を受賞した。2017年『Silence du choeur(直訳:コーラスの沈黙)』でサン=マロ市主催の世界文学賞を受賞。2021年、4作目にあたる本書はフランスの4大文学賞(ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞、メディシス賞)すべてにノミネートされ、ゴンクール賞を受賞した

野崎歓 : 1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。2006年に『赤ちゃん教育』(青土社)で講談社エッセイ賞、2011年に『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』(講談社)で読売文学賞、2019年に『水の匂いがするようだ―井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    「偶然とは未知の運命、見えないインクで書かれた運命でしかない」。人類、深奥と堅そうな題名だが、読み始めるとすぐに小説としての面白さに惹き付けられ夢中になって頁を捲った。色々な要素が盛り込まれ、文学批評論から人種差別、ポストコロニアル等が含まれるが、むしろそういったカテゴライズ化を嘲笑うかのように大胆な構成で一つの独特な物語を創り上げていた。そこには批判でも皮肉でもなくむしろ情熱が見えた。ただ突き進むのではなく真摯かつ柔軟な遊び心さえも。それは過去を超えるべく著者が求めた創作の運命が示したものかもしれない。

  • どんぐり

    ボラーニョの小説を彷彿とさせる作家探しの物語。1938年にパリで出版されたセネガル人の作家エリマンが書いた『人でなしの迷宮』。ブラックアフリカの黒人による最初の真正な傑作といわれたが、その小説は、批評家から剽窃の疑いがかけられ、北フランスで失踪した作家とともに忘れられた。小説の構造は、1980年代にエリマンを探す若い作家ジェガーヌ、母グモのシガ・Dの証言、日記や記録、マンゴーの木の下でエリマンを待つ母親モッサン、『人でなしの迷宮』を批判した書評家たちの死と呪術など、いくつもの物語が積み重なっていく。→

  • 榊原 香織

    幻の本を巡る謎。若い黒人作家が深みにはまっていく。 セネガル出身、ゴンクール賞受賞 2023年刊。 大作ですね。 南米のマジックリアリズムにちょっと近い、けど、やっぱりアフリカン。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    小説家になったが、デビュー作の反響が芳しくなく、次回作に悩むセネガル人、ジェガーヌ。彼は同じセネガル人作家で毀誉褒貶のある作家、エリマンの『人でなしの迷宮』にのめり込む。やがて彼と血縁関係のある者と接触し、当時の事を探っていくが・・・。エリマンの生まれとその家族との関係性、エリマンへ下された文学界の評価も、黒魔術による評論家殺しの疑いも結局は西欧人視点でしかなく、エリマンの意志も小説も無視されている。まさに「群盲、象をなぞる」。ジュガーヌを主人公に取れば、ビスク・ド・ロマンのよう。しかし、その〆は独特だ。

  • たま

    セネガル出身の作家ジェガーヌが同郷の作家エリマンの『人でなしの迷宮』を読んで衝撃を受け彼を知ろうとする。エリマンは大戦前に発表したこの作品で盗作を非難され行方不明のため、先輩作家シガ・Dからエリマンを直接知る人びとの証言を伝え聞くことになる。シガの父である呪術師の「土俗的」回想、戦前にパリでエリマンの作品を出版したユダヤ人、戦後ブエノスアイレスの文学サロンでエリマンと出会った文学者などが織りなす歴史的地理的広がりが作品の魅力となっている。何重もの伝聞で気が抜けない読書だが語りは巧みで飽きさせない。⇒

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