現代音楽ピアニストによる超精密演奏!
メシアン:「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」、「鳥の小スケッチ」(2CD)
チーロ・ロンゴバルディ(ピアノ)
「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」は、メシアンがドイツ軍占領下のフランスで1944年の3月から9月にかけて作曲。メシアンは20の楽章のそれぞれに深遠な神学的象徴を吹き込み、聖母マリア、ベツレヘムの星、東方の三博士の礼拝といったテーマを探求。
メシアンはここで、オルガンでは実現不可能な複雑なリズムと精密なデュナーミク、粒立ちの良い音に加え、「間」を作品に盛り込んでいるため、演奏時にそれが高精度に再現されることが望ましいですが、実際にはピアノと言えども、会場の響きやマイク・ポジションの問題もあってなかなかむずかしそうです。
今回登場するロンゴバルディ盤は、ピアノならではのメシアンの特徴を最大限に追求したもので、その情報量には恐れ入ります。
ブックレット(英語・12ページ)には、演奏のロンゴバルディによる解説などが掲載。ディジパック仕様の装丁。
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演奏家情報
オリヴィエ・メシアン
メシアンは、神学者ならではのカトリシズムを感じさせる作品を数多く書いたことでも有名で、60年以上も教会オルガニストとして活躍、高度な即興演奏と宗教音楽の作曲によって深い信仰心をあらわしてもいました。
メシアンは鳥の声にも絶大な関心を持ち、鳥類学者として世界中の鳥の声を採譜して作品に取り込み、また、「リズムの創作家」と自ら称し、インドやギリシャなどのさまざまなリズムを研究、作品にも反映させてユニークな世界を構築しています。
メシアンはまた、音を聴くと色彩や模様が思い浮かぶという「共感覚」の持ち主でもあり、そのことは、彼の作品のユニークな性格を決定付ける大きな要因になっているものと考えられています。
演奏家情報
チーロ・ロンゴバルディ (ピアノ)
1994年のオランダ・ロッテルダムでのガウデアムス国際現代音楽演奏コンクールでファイナリストおよび最優秀ピアニストに選ばれ、同年、ダルムシュタットで開催された第37回現代音楽講習会でクラニヒシュタイナー音楽賞を受賞。その後、現代音楽を中心にヨーロッパ各国で演奏。
2019年には、Piano Classicsからメシアンの「鳥のカタログ」全曲がリリースされ、イタリアの批評家にとって最も重要な賞であるアッビアーティ賞を受賞したほか、フランスの主要な雑誌「ディアパソン」では5つ星の評価を獲得。2021年には、Piano Classicsから、メシアンの初期の作品と晩年の鳥類学作品を集めた2枚組アルバムもリリース。
2020年から2022年の間、ロンゴバルディはレッジョ・エミリアのアペルト・フェスティヴァルで、メシアンのピアノ作品全曲を5回のコンサートでイタリア初演しています。
CDは、Piano Classics、Stradivarius、Kairos、Limen、Mode Records、Rai Trade、Neos、Die Schachtelなどから発売。

トラックリスト (収録作品と演奏者)
オリヴィエ・メシアン [1908 -1992]
CD1 62'49
「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」 [1944]
1. 第1曲「父の眼差し」 6'56
2. 第2曲「星の眼差し」 2'49
3. 第3曲「交換」 3'16
4. 第4曲「聖母の眼差し」 5'32
5. 第5曲「子を見つめる子の眼差し」 5'36
6. 第6曲「それに全ては成されり」 11'15
7. 第7曲「十字架の眼差し」 3'22
8. 第8曲「高き御空の眼差し」 2'30
9. 第9曲「時の眼差し」 3'19
10. 第10曲「喜びの聖霊の眼差し」 8'44
11. 第11曲「聖母の初聖体」 6'39
12. 第12曲「全能の言葉」 2'45
CD2 71'48
1. 第13曲「降誕祭」 4'24
2. 第14曲「天使たちの眼差し」 5'00
3. 第15曲「幼子イエスの接吻」 9'27
4. 第16曲「予言者たち、羊飼いたちと博士たちの眼差し」 3'12
5. 第17曲「沈黙の眼差し」 5'15
6. 第18曲「恐るべき感動の眼差し」 6'58
7. 第19曲「我は眠っているが、私の魂はめざめている」 9'16
8. 第20曲「愛の教会の眼差し」 13'37
「鳥の小スケッチ」 [1985]
9. 第1曲「ヨーロッパコマドリ」 2'20
10. 第2曲「クロウタドリ」 2'14
11. 第3曲「ヨーロッパコマドリ」 2'28
12. 第4曲「ウタツグミ 」 2'04
13. 第5曲「ヨーロッパコマドリ」 2'43
14. 第6曲「ヒバリ」 2'26
チーロ・ロンゴバルディ(ピアノ/ファツィオリ F278 mkIII)
録音:2023年9月21〜23日、10月26〜28日、イタリア、カヴァリッコ、アルテスオーノレコーディング スタジオ
Track list
OLIVIER MESSIAEN 1908 -1992
VINGT REGARDS SUR L'ENFANT-JÉSUS
PETITES ESQUISSES D'OISEAUX
CD1 62'49
Vingt Regards sur l'Enfant-Jésus (1944)
1 I. Regard du Père 6'56
2 II. Regard de l'étoile 2'49
3 III. L'échange 3'16
4 IV. Regard de la Vierge 5'32
5 V. Regard du Fils sur le Fils 5'36
6 VI. Par Lui tout a été fait 11'15
7 VII. Regard de la Croix 3'22
8 VIII. Regard des hauteurs 2'30
9 IX. Regard du Temps 3'19
10 X. Regard de l'Esprit de joie 8'44
11 XI. Première communion de la Vierge 6'39
12 XII. La parole toute-puissante 2'45
CD2 71'48
Vingt Regards sur l'Enfant-Jésus
1 XIII. Noël 4'24
2 XIV. Regard des Anges 5'00
3 XV. Le baiser de l'Enfant-Jésus 9'27
4 XVI. Regard des prophètes, des bergers et des Mages 3'12
5 XVII. Regard du silence 5'15
6 XVIII. Regard de l'Onction terrible 6'58
7 XIX. Je dors, mais mon coeur veille 9'16
8 XX. Regard de l'Eglise d'amour 13'37
Petites Esquisses d'Oiseaux (1985)
9 I. Le Rouge-gorge 2'20
10 II. Le Merle noir 2'14
11 III. Le Rouge-gorge 2'28
12 IV. La Grive musicienne 2'04
13 V. Le Rouge-gorge 2'43
14 VI. L'Alouette des champs 2'26
Ciro Longobardi piano
Fazioli F278 mkIII
Recording: September 21-22-23, October 26-27-28, 2023 Artesuono Recording Studios – Cavalicco (Udine) – Italy