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汚穢と禁忌 ちくま学芸文庫

メアリ・ダグラス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480091864
ISBN 10 : 4480091866
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

多くの文化の祭式において、本来拒否されるべき不浄なるものが聖なる目的のために使われるのはなぜだろうか。フレーザーからサルトル、エリアーデにいたるまで多くの人類学的成果を吟味しながら、穢れを通して浮かび上がる、秩序と無秩序、生と死、形式と混沌の関係に鋭く迫る。穢れとは、秩序創出の副産物であると同時に、既存の秩序を脅かす崩壊の象徴、そして始まりと成長の象徴であり、さらに穢れと水はその再生作用において同一をなすものであると位置づける。1966年の刊行以来、世界中に大きな衝撃を与えた名著。

目次 : 第1章 祭祀における不浄/ 第2章 世俗における汚穢/ 第3章 レビ記における「汚らわしいもの」/ 第4章 呪術と奇蹟/ 第5章 未開人の世界/ 第6章 能力と危険/ 第7章 体系の外縁における境界/ 第8章 体系の内部における境界/ 第9章 体系内における矛盾/ 第10章 体系の崩壊と再生

【著者紹介】
メアリ・ダグラス : 1921‐2007年。イギリスの社会人類学者、比較宗教学者。オックスフォード大学セントアンズ・カレッジ卒業。オックスフォード人類学研究所でエヴァンズ=プリチャードに師事。コンゴでの現地調査などを経て、ロンドン大学社会人類学教授をつとめる。1977年に米国に移住、ノースウェスタン大学、プリンストン大学で教鞭をとる。1988年に英国に戻る

塚本利明 : 1930年東京生まれ。専修大学名誉教授、日本比較文学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • テツ

    各宗教における食のタブーについて友人と話していたらその流れで貸してくれたので数週間かけて読了。文化人類学的な知識は全く無いので読み終えるのに時間がかかりましたが面白かった。無秩序から秩序を生み出すときに零れ落ちた何かを穢れとして扱う。社会通念上許容出来ない穢れを身近にしたときのなんとも言えない不快さ。ああ。確かにそれが。それを排斥しようと願う意識が差別の第一歩なのかもしれない。秩序が生まれるときには必ず穢れが生まれるという考えは忘れずにいたい。近いうちに再読したいです。

  • Toska

    日本以外の「穢れ」概念に対する関心から手を出してみたが、難しい…この本を読みこなすには、人類学と宗教学の素養が足りなかった。完敗です。ただ、あらゆる共同体は固有の秩序により保たれており、これを脅かす存在が穢れとして処理されたという基本の部分だけはおさえておきたい。死のみならず、出産もしばしば既存の秩序を乱す現象と見なされ、これをタブー視する慣行は意外なほど多くの社会に共通しているものらしい。

  • ラウリスタ〜

    期待値は高かったが、予想以上に面白い。こりゃ人類学にはまりそう。本書はなんら新たな知見を披露することはない。周知の事実、既に研究された未開文化での祭儀なんかを、彼女が独自に解釈する。レビ記解釈がかなり面白い。・・・は食っちゃだめ、・・・はいい、ってモーセが言うのだけど、それはある範疇に含まれるか否かで決まる。範疇から抜け出し、あいまいな存在となったものは、汚物として危険視される。その一方で、それこそが、あらたな再生の鍵となる。人体からの漏出のテーマも面白い、新世界とか見てる人なら、面白く読めそう。

  • 佐倉

    「ホラーの哲学」から。穢れとは境界線を侵すもの、カテゴリーの曖昧なもの、とする。しかし何が穢れであるかは社会によって違う。性に重きを置くものもあれば死に重きを置く場合もあり、社会通念としては禁忌でも有名無実となるケースもある。いずれの禁忌も共同体の視点のひとつの枠組みだからだ。それらを取り扱う呪術や祭祀も、それによって実際に災難をもたらすというより、宇宙観を共有するためのものとする。西洋中心の見方に根差した当時の文化人類学への批判と反省の視点が多く、その方面の知識が貧弱だったので読むのに苦労してしまった。

  • roughfractus02

    著者は本書で社会を秩序と無秩序でできた不均衡な構造体とし、社会は汚穢を無秩序の表れとし、禁忌を作って秩序を守ると捉える。そこで清浄さ(聖なるものの完全性)を厳格に求める秩序(「レビ記」でのモーセの食べて良いものの選別)によって汚穢を共同体外に置く社会と、儀式の生贄を支え血で汚すことで定期的に共同体内に汚穢を導入する社会が対照される。一方、口で食べるものが服につくと汚いと感じる等複数の例を挙げ、汚穢と禁忌の考えは、現代でも俗化されて、「場違いのもの」として空間の中に境界を区切る役割を果たしているとされる。

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