ミハイル・ブルガーコフ

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劇場 白水uブックス

ミハイル・ブルガーコフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560072158
ISBN 10 : 4560072159
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『船舶通信』のしがない記者兼校正係マクスードフは、昼は新聞の仕事をしながら、夜は小説を書き続けていた。文芸誌に掲載が決まり、作家の仲間入りを果たしたマクスードフだったが、それが苦難の始まりだった。編集者は発売前の雑誌と共に姿を消し、“独立劇場”の依頼で戯曲を執筆するも、様々な障害によって上演はひたすら先延ばしされる。劇場の複雑な機構に翻弄されながらもその虜となっていく作家の悲喜劇を、自身の体験に基づき戯画的に描いた未完の傑作。

【著者紹介】
ミハイル ブルガーコフ : 1891‐1940。ウクライナのキエフで生まれる。キエフ大学医学部を卒業、開業医となるが、ロシア革命の動乱のなか、モスクワで文学活動を開始。1925年、長篇『白衛軍』を雑誌発表、短篇集『悪魔物語』を刊行するが、反革命的との批判を受け、戯曲『トゥルビン家の日々』(1926初演)の成功で劇作に活路を求めるも当局による上演中止が相次ぐ。失意の中、発表の当てのないまま『巨匠とマルガリータ』『劇場』等の作品を書き続け1940年に病死

水野忠夫 : ロシア文学者。1937年、中国吉林市に生まれる。早稲田大学文学部露文科卒業。早稲田大学文学部名誉教授。2009年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    いつまでも上演されない戯曲、やたら口を挟む演出家、一癖も二癖もある俳優たち。読む前はカフカ的な不条理な官僚機構に巻き込まれた作家というような話を想像していたのだが、読み始めると内容は妙に明るいというか。システムではなく人間関係によって主人公が翻弄されているように思えた。あと読んでいて『巨匠とマルガリータ』的な祝祭空間がそこかしこに感じられるように思う。絶望感がある割には妙に明るいのだし。未完ということでまだ全体的に熟れてなく、全体像を捉えにくい気配はあるけれども。やはり完成したものを読んでみたかった。

  • 星落秋風五丈原

    スターリン体制下のロシアで反革命的との批判を浴び、劇作に活路を見出すも上演中止が相次ぎ、困難な状況に陥ったブルガーコフ自身の体験に基づいておりカオスの中で絶望した場面で未完となっているので、救いがない。「若手ばっかりの役で重鎮が演じる役がないのはけしからん」と怒られたり、全然原稿を読んでないセレブが偉そうに感想を述べている横でマクスードフが沸々と怒りをたぎらせていたりと、スラップスティックコメディになる要素はふんだんに持ちながら、そちらに流れていかないのは、冒頭の主人公自殺という事実があるからだ。

  • ケイトKATE

    主人公セルゲイは、小説家として成功を夢見て長編小説を書き上げるが、手厳しく批判され出版はおろか雑誌にも掲載されることもなかった。絶望していたセルゲイに突如、舞台の脚本の誘いが舞い込み、劇場で仕事をすることになるが、そこでは演出家などの関係者による干渉が入り、セルゲイは翻弄されてしまう。『劇場』は、ブルガーコフから見たスターリン政権下の芸術界に対する冷ややかな視線が垣間見ることができる。また、物語には滑稽な場面もあり面白く読めた。それゆえに、ブルガーコフに『劇場』を完成させてほしかった。

  • chanvesa

    テクストは作者の手を離れた時から、こねくり回される。カフカの『城』のようにたどり着かない道筋は、官僚制の毒が社会全般に蔓延していたソ連の体制を表しているかのようだ。あちこちに権威主義的な人物が出てきて行く手を邪魔し、翻弄する。また、ブルガーコフがウクライナ出身というのは、この本を読んで改めて意識した。その当時は連邦制に組み込まれていたから、こんにちの状況とは異なるだろう。しかしブルガーコフの人生の悲劇は、ウクライナというモスクワの非中央・辺縁の存在として、苦しめられていたこともあるように思える。

  • ぱなま(さなぎ)

    ‪わたしには飲酒をすると楽しくなるときと憂鬱になるときがあって、きのうはそんな夜だったのでブルガーコフの不条理さを喜劇的に描くユーモアに救われました。この作品が未完のままに終わってしまったことで幕切れのカタルシスが得られないのが惜しまれます。

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