マーティン・エイミス

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関心領域

マーティン・エイミス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152103321
ISBN 10 : 4152103329
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所の司令官、司令官の妻と不倫する将校、死体処理班として生き延びるユダヤ人。おぞましい殺戮を前に露わになる人間の本質を、英国を代表する作家が皮肉とともに描いた傑作。2024年アカデミー賞ノミネート映画映画原作長篇

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    「最初は白く、そして灰色に、やがて茶色になった雪」。そこはもう白い雪が降らない領域。汚された世界は白さを取り戻せない。本作は大戦時のユダヤ人収容所に関わる三人、それも管理側の者の内面を描いた小説。あんな凄絶な事をする人間の心理とは。ただそれは特別なものではなく、人が容易に陥る姿が滑稽でむしろ恐ろしい。利己的な論理、自制ない享楽、自己への言い訳。三人は非倫理的な自分を映す鏡を見ようとしない者、鏡の中の自分に気付く者、見ることを避けられない者。白い雪を残すために鏡に映る自分を知る心持ちの大切さを改めて感じた。

  • R

    重い。ホロコースト、その周辺、その時、その場にいたであろう人たちの物語。ありがちとまではいわないが、戦時中の日常といえばよいのか、ある種低俗な人間模様が展開されるのだが、その背後というか、ずっとホロコーストがあるのだけど、それを見て見ぬふりというか、横たわっているだけで、関わっているけども意識しない、そういう不気味さの中で人間的な営みがある、それを描くだけなんだが、それが重く、理解を迫ってくるような小説だった。面白いとは軽々にすぎるけど、非常に興味深かった。

  • キムチ

    2023年映画化され、今年アカデミー賞では残念ながら国際長編映画賞ゲット。予告編に底しれぬ戦慄を覚え、観るより本を読みたくて挑戦。がっくりの敗残!読みにくい、頭に染み込んていかない…将校、司令官、ユダヤ人コマンド三様の語りで綴られていく。贅沢な日々の生活が繰り広げられる壁一つ向こうは強制収容所。映画と異なり音が無いことが読書では想像力が過度に求められる。アーリア人男性のむき出し性欲、同レベルの女の諸々の欲望がビンビン。かつて観たナチス支配下の映画でも性的退廃ぶりは知ってはいたが…題が表すのは無関心→人間性

  • Vakira

    5月に映画「関心領域」を見た。ホロコースト大量殺人処理が行われたアウシュビッツ収容所の隣に住む司令官の家族の話。殺人の無関心とユダヤ人から搾取した高級品は自分の物。坦々と無関心の個人的欲望の怖さの物語だった。いかにも幸せな司令官の奥さんの暮らしぶり。殺人シーンの映像表現はありませんが、かなり印象に残りました。原作があることを知り、これは読んでみなければ、と図書館にリクエスト。2か月待ちでやっと読めました。して読む。んん!強制収容所の話は変わりませんが、映画とは別物。主人公は収容所司令官ではありません。

  • chimako

    映画の公開に合わせ表紙が変わっている。読んだのは黒地に有刺鉄線と赤いポピーが印象的な一冊。読みはじめから読み終わりまで何一つ楽しいことはなく、愉快な出来事もなく、淡々と日常の仕事を遂行する収容所の所長ドルと彼の妻ハンナ、その妻の恋愛相手の連絡将校トムゼンの関心領域を描き出す。所長ドルの関心は大量に送りつけられるユダヤ人の選別と労働と殺戮と処分。妻は彼に嫌気がさす。トムゼンの関心は女との情事。だがハンナとの関係でナチスに疑問を持ち始める。息をするのも重くなるような内容に幾度やめようと思ったか。

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