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完全なる証明 文春文庫

マーシャ・ガッセン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167651817
ISBN 10 : 4167651815
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
青木薫 ,  

Content Description

百万ドルの賞金がかけられた数学上の問題「ポアンカレ予想」。今世紀中の解決は無理といわれた難問の証明を成し遂げたロシア人ペレルマンは、しかし賞金を断り勤めていた研究所も辞めて、森へ消えた。なぜか?彼と同時代に旧ソ連の数学エリート教育をうけた著者だからこそ書けた傑作評伝ノンフィクション。

目次 : 世紀の難問を解いた男/ パラレルワールドへの招待/ 創造への跳躍/ 天才を育てた魔法使い/ 数学の天使/ 満点/ 幾何学の道に/ 世界へ/ アメリカでの研究/ その問題、ポアンカレ予想〔ほか〕

【著者紹介】
マーシャ・ガッセン : 1967年、モスクワ生まれ。ペレルマンと同様、ユダヤ人に生まれ数学専門学校に学ぶ。ソ連のユダヤ人差別から逃れ家族とともに1981年アメリカ移住。ソ連崩壊後ロシアに戻りジャーナリストとして活躍している

青木薫 : 1956年、山形県生まれ。京都大学理学部卒、同大学院修了。理学博士。専門の理論物理学から、数学、分子生物学、科学哲学までポピュラー・サイエンスの翻訳を幅広く手がけ、ファンも多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • mae.dat

    フィールズ賞も$100万も人との接触も拒んだ変わり者ってだけじゃ無い。ユダヤ人として旧ソビエト連邦に生まれ育った事がペレルマンに与えた影響。その負の影響は余りに大きい事を教えてくれた。数学の世界で、ある種無邪気に優秀な成果を挙げ続けた青年期から、段々と自身に降り掛かる理不尽な環境、政治利用に巻き込まれ、自分の立ち位置に気付き、嫌気が差してしまったのかと。類稀な頭脳を隠遁させる事となるこの事実は、我々に取っても、直接的では無いので影響を感じ難いが、大きな損失だと思う。(´๑•_•๑)。

  • hit4papa

    数学の難問を証明したロシアの数学者グリゴーリー・ペレルマンの評伝です。100万ドルの賞金がかけられた数学の七つの未解決問題のひとつ「ポアンカレ予想」は、ペレルマンによって解決され、2002年、証明がインターネット上にアップされました。ところが、このペレルマン、賞金を蹴って、研究職を辞め、とっとと隠遁してしまいました。ん?何故?今世紀中の解決は無理、と言われた超難問を解き明かしたペレルマン。名誉も金もいらぬとは、何と勿体ないことか。本書は、あまりに純粋で、あまりに偏屈な男の人生が、つづられています。

  • TATA

    数学界の超難問とされたポアンカレ予想を証明したロシアの天才数学者の生い立ちからを記した一冊。まだソ連が健在だった時代にユダヤ人として生を受けたペレルマン。数多の苦難を経て成長を遂げるが、この作品は彼の英雄譚ではない。その後、氏は大いなる功績を果たすのだが、彼の理想と異なる世間の反応を受け心を閉ざし、フィールズ賞も拒否し、隠遁生活へ。決して悲劇ではないのだが天才の生きるための苦悩と孤独を垣間見たということか。

  • kazuさん

    ロシア出身のユダヤ人数学者グリゴーリー・ペレルマンがポアンカレ予想を証明し、その論文をアーカイブに発表するまでの経緯とその後の歩みが、周囲の人々への膨大なインタビューをもとに詳細に描かれている。著者自身もロシア出身のユダヤ人で、数学専門学校で学んだため、ペレルマンの状況がより生々しく浮かび上がる。多くの指導者に導かれて純粋培養され、常に母親の支えを必要としたペレルマンは、次第に社会への不信感を募らせ、フィールズ賞を拒絶し、さらにクレイ研究所からの100万ドルの賞金も受け取らなかった。

  • やまやま

    ソ連におけるユダヤ人差別問題はいつもながら暗澹としてしまうのであるが、数学者ペレルマンは僥倖で中等教育以降の数学の道を邁進できた。自分でなすべきことは絶対自分でやる、という価値観は数学者としてあるべき姿勢だが、他人に求めることは賛否があるだろう。ところで、競争相手に先に問題を解かれてしまう数学者の心中は、重要な問題であればあるほど穏やかではない。証明の検証者の調達は実は容易でなく、時間と手間を数学そのものの進歩に捧げるという意味では証明者以上の献身ぶりでもある。この査読者に支えられ、証明の日を迎えた。

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