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バルカン -「ヨーロッパの火薬庫」の歴史 中公新書

マーク・マゾワー

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121024404
ISBN 10 : 4121024400
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

南東ヨーロッパに位置するバルカン半島。オスマン帝国時代、住民の多くを占める正教徒たちは平和裡に暮らしていた。19世紀、帝国が衰退すると、彼らは民族意識に目覚め、ギリシャ、セルビア、ブルガリアなどが独立を果たす。だがそれら新興国家に待ち受けていたのは、欧州列強の思惑と果てなき民族対立だった。ユーゴ紛争とともに20世紀が終わるまでを描いた、いま最も注目される歴史家の名著を翻訳。監修・村田奈々子。

目次 : プロローグ バルカンという呼称/ 第1章 国土と住民/ 第2章 ネイション以前/ 第3章 東方問題/ 第4章 国民国家の建設/ エピローグ 暴力について

【著者紹介】
マーク・マゾワー : 1958年イギリス出身。オックスフォード大学卒業後、ジョンズホプキンス大学で修号士、オックスフォード大学で博士号取得。ロンドン大学、サセックス大学で教鞭を振るったのち、コロンビア大学教授

井上広美 : 1959年(昭和34年)生まれ。名古屋大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • どんぐり

    バルカンは、今日のギリシャ、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア、旧ユーゴスラヴィアの国々で、かつてオスマン帝国に支配されていた地域である。このオスマン帝国支配の時代から、帝国の衰退が引き金となった住民の大移動とともに独立国家が形成され、それぞれが国家として近代化を目指した過程を描いている。オスマン帝国が重要視したのは多様な民族集団が共存する空間で、民族間の紛争はほとんど起きなかったのに対し、「西洋から与えられたロマン主義的ナショナリズムと結びついた時、それは暴力というかたちで暴発した」という指摘は面白い。

  • かごむし

    ヨーロッパ出身の学者が書いたものを翻訳した本。「ヨーロッパの火薬庫」というネガティブなイメージのあるバルカンの歴史を見ていく。不勉強な僕の頭の中にある、ヨーロッパがあってアジアがあって、その間にトルコがあるような脳内世界地図に、新しい世界が書き込まれたような感じ。本書には詳細な記述、西欧の固定観念の中にあるであろう「バルカン」という響きを塗り替えるような論考があると思うが、一読では知識が頭に定着せずに、正確に把握できなかった。ただ、僕にとっては、バルカンを知った、という一事が大きな意味をもつ読書であった。

  • skunk_c

    原著は2000年刊だから、コソボ紛争を受けて書かれたのは明らか。それがエピローグ「暴力について」で、バルカン(特にこの場合はセルビア)の暴力性を口実にしたNATOの軍事介入に対し、いわゆるヨーロッパも大差ないことを著している。また、民族について示唆に富む記述が多かった。オスマン支配下においては民族より宗教が意味を持ったこと、それこそこの100年余りの期間に民族という「装置」がバルカンに組み込まれていったこと。そしてその装置がヨーロッパやロシア由来と言えること。この点でバルカンはヨーロッパの鏡といえる。

  • Isamash

    英国出身コロンビア大教授マーク・マゾワー2000年著書の訳本。無理解であったバルカン地域の歴史を整理できた。この地域全体を支配したオスマントルコ帝国の治世が興味深かった。キリスト教徒は弾圧もされず(ユダヤ教も含め宗教に寛容)で、イスラム教徒より高い税金を払えば自治も認められ、帝政の下で正教会は発展した側面があるらしい。日本の神仏混合の様に宗教の共存が存在。セルビア人とクロアチア人の対立は激烈も民族的には共に南スラブ系で、要はカトリックと正教会の対立であることを初めて知る。ロシアのセルビア支持の基盤を知る。

  • 井上裕紀男

    バルカン域外の知識が乏しいと理解が難しいようで、話も順を追っている訳ではないので、個人的には難読書です。村田奈々子氏の解説が有難い。 バルカン自体が暴力的なのかという問いは重要で、過去各地で幾度も繰り返されている民族浄化との違いを見出すのは難しい。 欧州の諸国家も幾千年に渡って他民族を侵略している。欧州がバルカンに介入して上手くいくはずが無い。 オスマン帝国かアラブか、もう少し学び直してから本書をもう一度見返そうと思います。なかなかの上り坂ですね。 

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