マーガレット・ドラブル

Individuals/organizations Page

Books

昏い水 新潮クレスト・ブックス

マーガレット・ドラブル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901448
ISBN 10 : 4105901443
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

七十をすぎても引退せず、老人施設の研究調査のためにイングランドじゅうをクルマで走るフラン。当人は元気だが、高級老人ホームで余生を送る親友、重病の幼なじみ、自宅で寝たきりの元夫、新聞を開けば飛び込んでくる誰かれの訃報と、老いと死を意識せずにはいられない。友人を見舞い、50年前に別れた夫にせっせと手料理を届け、恋人を亡くした息子を案じて携帯メールを送るが、気難しい娘との関係には自信がない。傷心の息子が身を寄せる、カナリア諸島の高名な老歴史家と長年連れ添ったゲイの恋人の姿をあわせて描きながら、人生の終盤を送る人びとの心理と日常を、英国的ユーモアを随所にちりばめながら描きだしたビターでみずみずしい長篇小説。ドラブル健在!

【著者紹介】
マーガレット・ドラブル : 1939年、英国シェフィールド生まれ。ケンブリッジ大学で英文学を学ぶ。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの女優を経て、63年『夏の鳥かご』で作家デビュー。文芸評論家としても活躍。2011年には功労賞の「ゴールデン・ペン・アワード」を受賞。姉はブッカー賞作家のA・S・バイアット

武藤浩史 : 1958年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部英文科卒。英国ウォリック大学博士課程修了。慶應義塾大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ケイ

    70歳の主人公フランチェスカ。車を走らせてイングランドを周り収入を得ている。別れた最初の夫には食事を届け、患う友達は労る。友達夫婦も、息子が仕事先のスペインの島で会った夫婦らも、それなりに元気だ。死んでいく人も、それを受け入れる。描くのは、80歳の作者。冒頭で、運転しながらフランが呟く言葉がこの作品を貫いている 「棺を覆うまで、その人の幸せは定まらず」 「夭折は(この場合は30代だけど)、老化やそれに伴う気力体力の衰えを経験しなくてすむ」 まさにその通りだわ、と老女からもらう元気。

  • キムチ

    回数は多くないけれど、ブリテン島の滞在で見た高齢者は夜遅くても一人でパブに入り、大きな皿の羊肉を平らげ・・そのエネルギッシュさに仰天した思い出がある。この作品を読んであの風景が甦る。80歳になんなんとするフランが持つ引き出しの量にも圧倒された。住まいである高層住宅はエレベーターが頻繁に停まるのに階段を上がり降りするのも平っちゃら。別れた夫や寝たきりの元医師、友人のところへ〜日々じっとしていられないんだろうね。登場する社会環境はほぼ中流階層・・上がる話題の内容にも肝を潰す・・文学・美術・音楽。単なるゴシップ

  • 白玉あずき

    最近は階級差、経済格差による文化の違いについて読むことが多く、この本もついその視点から読んでしまう。典型的中流知識階級の家族観の中での老後、老いの孤独とそれぞれの「対処」。狭い文化サークルの中の人間関係。例えばアリステア・マクラウドの描く世界で生き、死んでいった老人達の姿と比較してみる。血族の中で死ぬまで「老人」を演じながら安住の場所を確保できる老後と、狭い文化サークルの中で、「業績(自己満足)」を最後まで追いかける生き方と。私にとってどちらもちっとも楽しそうでなくて、かといって今更画期的に人生が

  • りつこ

    まだ大丈夫、いやそろそろヤバイかも?と自分の老化を冷静にはかりながらも、働くこと移動すること動き続けることをやめない主人公フラン。あっけなく老人向け施設に入った親友、老人になってから再会した幼馴染み、カナリア諸島に移住したゲイカップル。様々な視点から老いること、生きること、そして死ぬことが語られる。こんなにリアルで、それなのに楽しい老人小説は初めて。散りばめられたユーモアにふふっと笑い、なんかそれわかる…と苦い気持ちになり、それでも最後までこうやって生きていくのだ!とちからをもらう。面白かった〜。

  • ヘラジカ

    老いのなかで人生最後の日々を過ごす人々を描いた群像劇。社会階級の高い知的な人々の暮らしは、安穏としたものだがどことなく倦怠感や虚しさを感じさせる。それだけに読んでいて楽しい本だとは言い難い。正直に言うと退屈にすら感じた。でもこの退屈感こそが、最後のステップに足をかけた人の生活なのだと思うと、ため息が出るような切なさも覚える。結び前最後の「行きぬくことしか選択肢はない」という言葉が読み終えてしばらくたった今も胸に残っている。難しくも充実した読書であった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items