David And Goliath 立ち向かう勇気

選択の余地なき闘いに向かうあなたへ―敵は思うほど強くない。そして、あなたは無力ではない。本書の核心は、「弱点こそが最強の武器である」ということだ。私たちが「不利」「欠点」「ハンディキャップ」だと思い込んでいるものが、実は相手が予想しない独自の強みになり得る。困難は人を強くし、制約は創造性を生む。既成概念にとらわれず、自分の「弱点」を「武器」に変える発想の転換こそが、巨大な相手に立ち向かう鍵である。弱者が強者に勝つのは例外的奇跡ではなく、適切な戦略があれば十分実現可能な現象なのだ。グラッドウェルはこのことを豊富な事例とデータで証明している。

目次 : パート１　不利は有利であり、有利は不利である（素人バスケットボール・コーチ―ヴィヴェク・ラナディベの場合/ クラス規模の逆説に悩む校長―テレサ・デブリートの場合/ 超一流大学で挫折した優等生―キャロライン・サックスの場合）/ パート２　「望ましい困難」という考え方（文字が読めない弁護士―デービッド・ボイズの場合/ 極貧生活からがん専門医―エミル・「ジェイ」・フライライヒの場合/ 味方も欺く公民権運動家―ワイアット・ウォーカーの場合）/ パート３　力の限界（兵士に戦いを挑んだ主婦―ローズマリー・ローラーの場合/ 娘殺しをゆるした母親―ウィルマ・ダークセンの場合/ 反逆のフランス人牧師―アンドレ・トロクメの場合）

【著者紹介】
マルコム・グラッドウェル : １９６３年生まれ。カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。複雑な社会現象を鮮やかに解き明かすカナダ系アメリカ人のジャーナリスト兼作家。イギリス系ジャマイカ人の母とイギリス人の父を持つ彼は、多様な文化的背景から独特の視点を培った。『ワシントン・ポスト』紙の記者を経て、『ニューヨーカー』誌のスタッフライターとして活躍。彼の真骨頂は、一見当たり前に思える現象の裏に潜む驚くべき法則を発見すること。彼の魅力は、統計学や心理学の複雑な理論を、身近なエピソードや歴史的事例を使って誰でも理解できる物語に変える卓越した能力にある。彼の著作を読むと、世界の見方が一変する―それがマルコム・グラッドウェルの最大の魅力だ

桜田直美 : 翻訳家。早稲田大学第一文学部卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）