マルクス・ガブリエル

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時間・自己・幻想 東洋哲学と新実在論の出会い Php新書

マルクス・ガブリエル

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569859019
ISBN 10 : 4569859011
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
April/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「新実在論」の旗手、マルクス・ガブリエル氏は、本書の中でこう語っている。
私の存在論は、ある意味両者(編集部注:西洋哲学と東洋哲学)の統合を目指しています。
私の思想は14歳のときから東西双方の伝統に影響を受けてきました。両方が常に私の頭の中にあるのです。(中略)西洋思想と東洋思想の大きな違いは、西洋哲学が不変のものを探求している点だと思います。(中略)他方、日本人が問うのは、「変わらないものが存在するという幻想はなぜ生じるのか」です。東洋思想の立場からすると、西洋の形而上学は、初期からずっと幻想なのです。
本書は、まさにマルクス・ガブリエル氏による「西洋哲学と東洋哲学の統合」の試みの一端を示したものになったといえる。
我々(インタビュアーの大野和基氏と編集部)がガブリエル氏に、東洋哲学をテーマとしたインタビューを敢行した理由は二つある。
一つは、ガブリエル氏が東洋哲学に大きな関心を抱いていること。ガブリエル氏は、3世紀の中国の思想家王弼が著した『老子』の注釈『老子注』をかなり熱心に読み込み、老子が無常を説いていることに重要な気づきを得たという。さらに、コロナ以降たびたび来日しており、日本の思想についても高い関心を寄せている。
もう一つは、現代における東洋哲学の可能性である。現代は「入れ子構造の危機」の時代だ、とはガブリエル氏の言だが、一つの危機が別の危機に組み込まれ、拠って立つべき価値が見えづらくなっている時代において、「変わらないものが存在するという幻想はなぜ生じるのか」という問いを抱える東洋哲学の価値を、現代ドイツ哲学の第一人者が語ることには意義があるはずだ。
幸いガブリエル氏に快諾していただき、実現したインタビューは、予想以上にエキサイティングなものであった。
ガブリエル氏によると、ヒンドゥー教は「時間は幻である」と見なしている。また中国古典の『荘子』には、時空を越えた無限の宇宙に遊ぶ存在が登場する。仏教の「禅」には、座禅とは自我を消していくための訓練であるという捉え方があるが、ガブリエル氏はその志向に疑義を唱える。そして先ほど述べたように、東洋哲学は西洋の形而上学を「幻想」と見なしている。
本書の議論により、西洋哲学に関心のある方も東洋哲学に関心のある方も、上記のような哲学の主要テーマについて、従来の枠組みを超えた捉え方を得られるのではないかと期待する。巻末には武蔵野大学ウェルビーイング学部客員教授である松本紹圭氏との対談を収録。

【著者紹介】
マルクス ガブリエル : 1980年生まれ。史上最年少の29歳で、200年以上の伝統を誇るボン大学の正教授に就任。西洋哲学の伝統に根ざしつつ、「新しい実在論」を提唱して世界的に注目される。著書『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)は世界中でベストセラーとなった。さらに「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に新たな概念を語る

大野和基 : 1955年、兵庫県生まれ。大阪府立北野高校、東京外国語大学英米語学科卒業。79〜97年渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。その後、現地でジャーナリストとして活動。97年に帰国後も取材のため、頻繁に海外に渡航。世界的な識者への取材を精力的に行っている

月谷真紀 : 翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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