マリーケ・ルカス・ライネフェルト

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不快な夜

マリーケ・ルカス・ライネフェルト

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152102119
ISBN 10 : 415210211X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

オランダの小さな村の酪農家で育ったヤスが、赤いジャケットを脱がなくなったのは10歳の時だった。大切なウサギの代わりに兄が死にますようにと神に祈り、それがほんとうになったから。これ以上悪いことが起こらないよう外の世界から自分を守るためのジャケットだ。でも、どんどん家族は壊れていき、ヤスはますます自分の内に閉じこもる―史上最年少でブッカー国際賞受賞。詩人としても活躍するオランダ文学界の新星が、類いまれな表現力で“喪失”を描いた長篇小説デビュー作。

【著者紹介】
マリーケ・ルカス・ライネフェルト : 1991年生まれ(he/him)。オランダ・北ブラバント州の農家で育った作家、詩人。2015年、詩集Kalfsvlies(仔牛の羊膜)でデビューし、オランダ国内の新人詩人に授与されるC.Budding’賞の最優秀作品に選ばれる。2018年に出版されたデビュー長篇の『不快な夕闇』は、オランダのみで28万部を突破するベストセラーとなり、2020年に英訳版The Discomfort of Eveningが権威あるブッカー国際賞を受賞。同賞史上最年少の29歳での受賞となった

國森由美子 : 桐朋学園大学音楽学部卒、オランダ文学翻訳家、ライデン日本博物館シーボルトハウス公認ガイド(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    キリスト教の教えに根差した慎ましい生活を送るヤス一家。クリスマスに自分の飼っている兎が潰されるかもしれないと思ったヤスは神様に願った。「兎の代わりに兄マティアスを連れて行ってください」と。そこから不運とやり場のない罪悪感が彼女を追い詰めていく。死児や自己に意識を向ける余り、ネグレクトする両親のどうしようもなさが忌々しいが、現実的だ。そして聡明なハンナは家を出る必要があると悟るが、子供は簡単に逃げられないのも事実で。また、信仰が何も救ってくれない閉塞とその中で募る家庭の不和と爆発性は映画『ウィッチ』のよう。

  • ヘラジカ

    あどけない少女の視線を通して、歪んだグロテスクな世界をこれでもかというくらいに生々しく描いている。幼い子供特有のコミカルな表現も、可笑しさよりは不条理な現実の醜怪さをより一層際立たせる効果を生んでいた。時折神経に触れるような文章があり、とても小説デビュー作とは思えない物凄まじい筆力である。「ここではない別の世界」の暗喩が頻出し、そのなかに有名ライフ・シミュレーションゲームのザ・シムズがあるのも興味深い。仮想世界で生き生きしているキャラクターとの乖離を想像すると不気味だ。得難い読書体験だった。

  • かんやん

    クリスマスに可愛がっているウサギが料理されるよりは、兄を召して下さいと神に祈った酪農家の女の子。そして、実際に兄はアイススケートの事故で亡くなる……。子どもというのは条理を欠いた空想や発想をしたりするものだが、それを表現する比喩やしばしば汚い描写が活き活きとしており、瑞々しい言語センスに魅了される。しかし、この長さになると、それだけではさすがに辛いのではないか。いや、文学の目利きが評価して文学賞を受賞しているのだから、そんなことはないのだろう。ただ、かわいそうな、あどけない、女の子の独白なのである。

  • 星落秋風五丈原

    「兎の代わりに兄を連れていって」他愛のない願い事が現実になったことから不幸になる少女。表紙絵の目の表情は不安というより恐怖。

  • 檸檬の木

    【2020年ブッカー国際賞受賞作】オランダで酪農家を営む改革派教会の信徒一家の物語を10歳の主人公ヤスの目を通して終始一人称で語られる不穏なストーリーでした。兄マティースの死により遺された父母と妹弟三人の日常生活だが常軌を逸したおり陰湿で恐怖さえ感じたが、解説を読むと著者も同じくオランダの農家の厳格なキリスト教徒の家庭に生まれ育ち性的マイノリティを公表しているとの事だ。彼女の心の中の蠢きが伝わってきたそんな作品だった。⭐︎4

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