Product Details
ISBN 10 : 4772420746
Content Description
本書は,拒食症と過食症という重い摂食障害の背後にある心の状態を理解する試みである。
本書の考えは二つの別個の専門的な実践領域を通じて発展した。一つ目の領域は,著者マリリン・ロレンス自身の精神分析家としての直接的な臨床作業である。そこで彼女は摂食障害を患う大人の患者を治療してきた。二つ目の領域は,摂食障害の患者を援助する専門部門を運営するスタッフに向けた学習資料を提供する活動である。
本書の視点は精神分析的なものである。なぜなら,心の機能は意識的なだけでなく無意識的でもあり,私たちは自分自身の動機をほんの一部分しか理解できないとロレンスは想定するからだ。しかし本書は精神分析家に向けてだけ書かれたものではない――むしろ逆である。専門家が自分たちの患者の病気の意味を知るのに役立つ取り組みは,心の健康に従事する多様な背景を持つ読者の一助になるはずだ。
本書全体を通じて強調されているのは,摂食が障害されているとき,その背後には障害された関係性があり,両者は密接に関連しているということである。そしてこの両者の関連が,症例を考察することで,感動的で,ときに痛ましいほど詳細に例証される。本書は,このような悩ましい分野で働くすべての専門家はもちろんのこと,摂食障害の患者とその親にとっても,はかりしれない価値を持つだろう。
【著者紹介】
マリリン・ロレンス : 英国精神分析協会会員ならびに精神分析インスティチュート特別会員である。タヴィストック・クリニックの成人部門に勤務する傍ら、ロンドンで個人開業している。ロレンスは長年、摂食障害はもちろん、ジェンダーと性的発達にも関心を向けてきた。現在(訳注:原書刊行年の2008年当時)は、タヴィストック&ポートマンNHS財団における精神分析的心理療法基礎コースのプログラムディレクターならびに、精神分析インスティチュートの出版ディレクターを務めている
北岡征毅 : 臨床心理士、公認心理師。2003年京都大学教育学部卒業。2008年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程指導認定。現在、医療法人こころのクリニック和―なごみ―勤務、精神分析的心理療法オフィス個人開業
飛谷渉 : 精神科医。1991年大阪市立大学医学部卒業、1996年大阪市立大学院博士課程修了、医学博士。大阪市立大学神経精神医学教室助手を経て、ロンドン・ダヴィストック・センター思春期青年期部門留学、思春期青年期臨床課程修了。現在、大阪教育大学保健センター教授。日本精神分析学会認定精神療法医スーパーバイザー。日本精神分析的精神医学会認定指導医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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