マリアーナ・エンリケス

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秘儀 下 新潮文庫

マリアーナ・エンリケス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784102410622
ISBN 10 : 4102410627
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
宮?真紀 ,  

Content Description

〈教団(オルデン)〉創立家に生まれつきながら一族の残虐さに反発し不審死を遂げた母ロサリオ、霊媒行為が心臓疾患を悪化させ死を迎えた父フアン。両親を失ったガスパルは、父が隠してきた闇の向こう側の存在を知り、避け続けてきた〈教団〉と相まみえることを決意する――。独裁政権時代から九〇年代までのアルゼンチン史をも呑み込み、ジャンルを超えてラテンアメリカ文学界を席巻した闇の一大叙事詩!

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Book Meter Reviews

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  • yukaring

    闇の力を呼び出し利用するカルト教団。生贄を捧げ、霊媒を介して行われる謎の儀式。幼い頃に教団に見出され霊媒とされた男性が力を受け継いでしまった息子を教団から守ろうとする戦いの日々。自分の死期を悟った父親の覚悟が切ない、圧倒的な狂気と家族愛が錯綜する南米ホラー。教団に逆らった者は身内であろうと粛清されていく恐怖。更に異界と現実の境目があいまいになり、幻想と血と暴力が世界を満たし、何が正しいのかもはやわからない闇に呑まれていく…。訳のせいなのかページ構成なのか、全体的に読みにくく感じてしまったのが残念だった。

  • ヘラジカ

    ダーク・ファンタジーと言うにはあまりにも重く、禍々しい。単なるホラー映画かと思って観たロバート・エガースの『ウィッチ』を思い出した。生物の根源に拘わる原始的な恐怖と、克服するために人々が生み出した宗教は、それ自体が実際のものとして身近にあることから、この作品で描かれている邪教にも妙な説得力がある。南米の混沌とした歴史が土台にあることも物語に重厚感を与えていた。但し小説として見るならば、下巻の前半までは文句なしに面白かったものの、後半には中弛みが出来て終盤もやや拍子抜けの印象。全体の緻密さには唸らされた。

  • Shun

    父から子へ受け継がれる超自然的な力。闇の力を巡り長年霊媒として利用されてきた男は、我が子を教団から遠ざけ一族に見つからないよう特殊な秘儀を用いる選択を決断する。余命僅かの男は切羽詰まった末の行為か、それとも暗い一族の秘密に近寄らせない為の愛ある行動か、その後の父と子の関係を大きく変えてしまった。後半では視点が子に移り、少年時代の不可解なある事件とその後の教団と再び対立する場面が描かれる。”闇”の力が関係する怖ろしい儀式と世界の裏で暗躍する組織と我が父の関係を知った子の物語、そして不器用な父の愛が胸を刺す。

  • わたなべよしお

     幾人かの評論家が激賞しているけど、それほどかな。下巻は上巻よりは面白くなる。糸が解けていくように謎や事情が分かってくるのは心地よさがある。だが、私は特に感動しなかった。ホラーとしても、それほど楽しめなかったし、凝った構成はわかりにくさを増していただけのような気もする。ラストも爽快感を味わえるほどではなかった。勿論、そんな酷い作品ではないけどね。あまりに褒める人がいるから、ちょっと反発してしまったかも。

  • 本の蟲

    いまどき「黒魔術」と聞くと、学生の悪ふざけや悪趣味なサークルを想像して失笑してしまう。しかし富と権力を握る有力者が「本物」に出会ったときの影響力。その執念に戦慄する物語。〈教団〉を創立した一族の歴史。霊媒の発見と〈闇〉との最初の接触。親の信仰を馬鹿にしていた幹部子女も、儀式を目の当たりにするとオカルトや神秘主義に傾倒し、同時に文化人類学や医学で業績を上げるようになる。父の計画で〈教団〉のことを知らずに育った、霊媒の少年ガスパル。遂に彼が真実を知った時…。キングの影響も色濃い南米魔術譚。

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