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ミニチュアの妻 エクス・リブリス

マヌエル ゴンザレス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090435
ISBN 10 : 4560090432
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「ミニチュアの妻」:妻をミニチュア化してしまった男の語りによる家庭劇。小型化を専門とする仕事に従事する語り手は、どういうわけか偶然、家で妻をマグカップ大に縮めてしまう。家庭に仕事は持ち込まないと誓ったのに…と、いささか的外れな後悔の念を覚えつつ、主人公は妻を元に戻すべく悪戦苦闘する。「僕のすべて」:語り手はオフィス勤めのゾンビ。人肉を食べたいという衝動と日々戦い、自宅で大量のガラス製品を壁に投げつけては発散している。受付嬢に好意を寄せているが、相手は既婚女性、自分はゾンビ、所詮は叶わぬ恋だと思っていたところ…「キャプラ2号星での生活」:主人公は、宇宙に進出した“新世界連邦”により入植者が送り込まれた星で猛威をふるう数々のモンスターとロボットを相手に、激闘を繰り広げる。なぜ自分はこんな世界にいるのか?なぜ過去数分間しか記憶がないのか?憧れの女性ベッキーとのデートは実現するのか?自分は何者なのか?

【著者紹介】
マヌエル ゴンザレス : 米国テキサス州プレイノ生まれ。メキシコからの移民三世にあたる。コロンビア大学大学院創作科に進み、ジョージ・ソーンダーズ、エイミー・ベンダー、ブライアン・エヴンソンといった現代アメリカ作家たちに触れる。修了後は故郷テキサスに戻り、6歳から18歳を対象に文章の指導をする非営利団体の所長を務めるかたわら、創作に励む。2013年に『ミニチュアの妻』を発表し、全米各紙誌で高い評価を受ける。現在、ケンタッキー大学大学院創作科で教鞭を執る

藤井光訳 : 1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。同志社大学文学部英文学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まさむ♪ね

    大いにズレている。つくりの確かなカツラを180度違えて着けているようなこの違和感、どうしてくれよう。はじめのうちは、ん?なんかおかしいな、くらいのズレが、徐々にその程度増していく。全体像が見えてくるころ、違和感の嵐はピークに達し、いつの間にか自分はとんでもないところに立たされていることを思い知る。ハイジャックされたまま二十年間飛び続ける飛行機、小型化した妻とのハードなサバイバル生活、ユニコーンを飼う隣人、オフィス勤めのゾンビは受付嬢に恋をし、奇病を患う男は耳で話す。ああそうか、ズレているのはわたしの方だ。

  • りつこ

    面白い!奇想短編は読み慣れていると思うけどこれはまたひと味違う。不条理な出来事を感情を排した文章で淡々と描写しているのだが、なにか不思議な懐かしさが漂う。一作目の「操縦士、副操縦士、作家」でハートを鷲掴みにされ、「その奇特な人生」シリーズで中毒にされ、ゾンビ物で無力化される。表題作も良かったけれど、特に好きだったのが「セバリ族の失踪」「角は一本、目は荒々しく」。物語に引きずり込まれメタメタにされ放り出される楽しさよ。

  • ニミッツクラス

    15年(平成27年)の税抜2600円の単行本初版。白水社のエクス・リブリスと言うレーベルで、同クラシックと併せて刊行数は多い。著者ゴンザレス(米国)の第一短編集の本書はそのシュール・不条理さに、一気に読むととても疲れる典型的な書籍。とある人物の紹介に特化した“その奇特なる人生”シリーズのような疑似連作風の作品もあり、月刊誌で一遍ずつ読むのが最適。表題作なんて語感から「壜づめの女房」とか「銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件」などを読み返したくなる。奇譚作家だからいずれ河出か早川辺りが…。★★★★☆☆

  • りー

    20年飛び続けるジャンボ機の話でこいつァおもしれー!と盛り上がった気持ちは表題作でがっつり削ぎ落とされ、その後もポップでダウナーな短編のラッシュを浴びせられているうちに、不思議と自分の人生を死の間際に振り返っているような穏やかな気持ちにさせられる。そうだよな、「人生ってこんなもんだよな」とまださほど長くも生きていないのに思ってしまうような、不条理ながら既視感を覚える作品集。内容とダウナーさはカレン・ラッセルの『レモン畑の吸血鬼』を思い起こさせる。これが気に入ったならば併せて読むのもきっと悪くない。

  • ドン•マルロー

    何よりも冒頭の『操縦士、副操縦士、作家』。舞台はハイジャックされた飛行機の機内。それは実に20年もの間テキサス州ダラスの上空を旋回しており、おまけに当のハイジャック犯は操縦士本人という、その設定はひどく突飛でばかばかしくもある。だが、その滅茶苦茶な物語世界も、合理主義を貫くわりには複雑化の一途を辿り、あたかも核たる部分を捉え難くするためのように流動し続ける現代社会と比べれば、どれくらい奇妙な世界だと言えるだろう。この化け物じみた現代を描くには、これくらいの突飛さはむしろ必要不可欠な要素なのではあるまいか。

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