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尊厳 その歴史と意味 岩波新書

マイケル・ローゼン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004318705
ISBN 10 : 400431870X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「尊厳」は人権言説の中心にある哲学的な難問だ。概念分析の導入として西洋古典の歴史に分け入り、カント哲学やカトリック思想などの規範的な考察の中に、実際に尊厳が問われた独仏の判決などの事実を招き入れる。なぜ捕虜を辱めてはいけないのか。なぜ死者を敬うのか。尊厳と義務をめぐる現代の啓蒙書が示す道とは。

目次 : 第1章 「空っぽ頭の道徳家たちの合い言葉」(たわごと?/ キケロとそれ以降/ カント/ 優美と尊厳/ 尊厳と平等/ ヒエラルキー/ 権利を敬うことと。敬われる権利)/ 第2章 尊厳の法制化(尊厳ある小びと/ ドイツ/ カント的な背景―人間性の定式/ カトリック思想とドイツ連邦共和国憲法/ ダシュナー事件と航空安全法/ 一貫した解釈はあるか/ 主意主義/ 結論)/ 第3章 人間性に対する義務(人間主義/ 功利主義者の応答/ 外在主義/ 人間ではないものが、内在的に善きものであるかもしれない/ 義務/ カント/ プラトン主義なき義務)

【著者紹介】
マイケル・ロ-ゼン : 政治哲学者。イギリス生まれ。オックスフォードとフランクフルトで学び、現在、ハーバード大学政治学科教授

内尾太一 : 麗澤大学国際学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了

峯陽一 : 同志社大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • フム

    尊厳とは何か、わかったような気でいたが、実は哲学的用語としては解釈がわかれる言葉だと言う。本書は政治哲学者である著者が、西洋における尊厳という言葉の歴史を辿りつつその意味を解き明かした。第二次大戦とジェノサイドの惨劇によって、戦後のドイツ憲法には、「人間の尊厳は不可侵である」が基本原理として掲げられた。人間の尊厳は国際法や各国憲法の鍵となる概念となったのだ。だが、現状では妊娠中絶の是非や尊厳死の論争など、生々しい対立がある。この状況に向き合うためにも「尊厳」という言葉を理解することは有意義と感じた。

  • sayan

    尊厳、つかみどころがない。丸山眞男は、個性の究極的価値と言いそれは人間として生まれた事だ、と垂直的な説明は魅力的だ。他方、本書は尊厳の思想を横断的に読み解く。関係する実務上「to rebuild their lives in dignity and peace」を多用する。国際規範・条約に沿った各国間調整は格調が重んじられる。他方なぜ「in money and peace」と言わないのか?個人的な疑問だが、著者はカント哲学、尊厳に実質を与える国家の役割に言及し欠乏ではなく恐怖からの自由と刺激な応答を示す。

  • テツ

    自他の尊厳は大切である、大切にしなければならないというふんわりとした共通認識はあるけれど、明確に言語化しろと言われたら戸惑ってしまう『尊厳』という概念について。第二次大戦によりユダヤ人の尊厳(と膨大な生命)を奪った反省から生まれたドイツ基本法と国連の理念には組み込まれているけれど、それから百年経過したって大多数の人間にはピンとこないというのが現実だよな。ぼくの&あなたの尊厳という考えかたの発生と成熟。歴史的な扱われ方を知ることができた。カントが根っこに存在しているんだな。

  • buuupuuu

    論旨を上手く捉えることができず苦戦した。歴史を通覧して「尊厳」の多義性を確認し、現代の混乱状況においてその多義性がいかに現れているかを具体例によって見る。問題は「内在的な価値」という現代的な尊厳の概念が、人権について何を含意しているか曖昧なことだという。3章では遺体への冒涜というケースをてこにして「義務としての敬意」という考えの下に尊厳を捉えなおそうとする。よく分からなかったのは、これが2章への応答として意図されているのかどうかということ。

  • rabbitrun

    尊敬とは何かについて平易に論じた法哲学の良書。概念の源泉をカトリック思想やカント哲学まで遡りつつ、なぜ捕虜を辱しめてはならず、なぜ死者を敬うのかという新たな意味を抽出する過程は重厚で新書でありながら一流の講義を受けているような感覚を覚えた。訳者あとがきも簡潔で、ある言葉が使われるのはそれが必要とされるからだという解説が印象に残った。

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