マイケル・モラスキー

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戦後日本のジャズ文化 映画・文学・アングラ 岩波現代文庫

マイケル・モラスキー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006033057
ISBN 10 : 4006033052
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

戦後、占領軍とともに入ってきて日本で復活したジャズは、アメリカそのものだった!映画、文学、映像作品などの中に表象されたジャズを読み解くと、同時代の日本の文化・社会が見えてくる。日本のジャズ喫茶に通いつめ、その独自性を鋭く指摘し、自分でジャズピアノを弾く著者が日本語で初めて書いた画期的な戦後日本文化論。サントリー学芸賞受賞作品。

はじめに

第1章 自由・平等・スウィング?――――戦前・終戦後の日米ジャズ再考
 大阪から上海まで踊りふけり――ダンスホール全盛時代
 暗い谷間で開花した音楽――アメリカ大恐慌と〈スウィング〉
 スウィングする占領――日本のジャズ復活
 ビバップの反抗
 「女立入禁止」のジャズ言説――秋吉敏子を中心に

第2章 大衆文化としてのジャズ――戦後映画に響くもの
 〈ジャズ〉と〈映画〉、そして〈ジャズ映画〉
 映像と音
 天からの視点――黒澤明の『酔いどれ天使』
 俺らはシンガー――裕次郎と『嵐を呼ぶ男』
 おわりに――映画が映すジャズ認識

第3章 占領文学としてのジャズ小説――五木寛之の初期作品を中心に
 戦後文学に流れるジャズ
 五木寛之の「レトロ」のジャズ観
 二重の占領体験
 「さらばモスクワ愚連隊」再考
 五木寛之の「ライブ重視」
 ジャズ小説家と〈人種〉の差異
 国際性と排他性の混在
 占領の記憶と支配幻想
 おわりに――同時代の作家、過去への凝視

第4章 挑発するジャズ・観念としてのジャズ―― 一九六〇‐七〇年代ジャズ文化論(1)
 ジャズの変貌
 黒いジャズ、危険なジャズ
 激動期のジャズ文化の要点
 一九五八年という分岐点――ヌーヴェルヴァーグの流入
 アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの来日騒動
 フリージャズの出現
 観念としてのジャズ
 二人のジャズ革命論者

第5章 ジャズ喫茶解剖学――儀式とフェティッシュの特異空間
 規律と厳粛
 ジャズ喫茶の歴史と多面性
 聴き方の儀式
 〈物〉となった音楽――フェティッシュの眼
 ジャズ喫茶の現在
 わが毒舌的ジャズ喫茶論

第6章 破壊から創造への模索―― 一九六〇‐―七〇年代ジャズ文化論(2)
 ジャズの浸透力
 ジャズにとりつかれた小説家たち
 ジャズを歌った〞詩人たち
 風景の響き――アンダーグラウンド映画とフリージャズ
 沈黙と音の対位法――足立正生の『略称・連続射殺魔』
 腹話術師としての阿部薫――若松孝二の『十三人連続暴行魔』
 おわりに――〈同時代の音楽〉としてのジャズ

第7章 過去の音楽へ――近年のメディアとジャズ文化
 変貌する音楽メディア
 映画と文学のジャズ・ノスタルジー時代
 まとめに代えて――ジャズ表象の戦後史

 注
 あとがき
 謝  辞
 現代文庫版あとがき

【著者紹介】
マイク モラスキー : 1956年、アメリカ・セントルイス生まれ。シカゴ大学大学院東アジア言語文明研究科博士課程修了(日本文学)。専攻は戦後日本文化史、特に日本・沖縄戦後文学およびジャズ音楽の受容史を中心に研究。現在、早稲田大学国際教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 踊る猫

    なかなか難しい。ジャズと絡めて語られる日本文学の歴史について語られたカルチュラル・スタディーズとして読むのが相応しいのだろうが、もう少し掘り下げて欲しいという気もする。五木寛之や筒井康隆、村上春樹や倉橋由美子や中上健次といった作家たちの表層だけをサラッとなぞっただけという気も。だが、その幅の広さ/懐の深さこそが本書の面白さでありこの著者の美点とも感じられるので、それはないものねだりと言うべきか。ジェンダーについて語られているあたり、切り口は良い。これについてももう少し突っ込んで欲しかったかな、と感じられた

  • かふ

    ジャズにはジェンダーの視点が欠けているとけっこう重要な指摘かもしれない。特に日本人のジャズのパイオニアとして穐吉敏子を忘れてはいけない。女パウエルと異名を取り日本人ということで物珍しさで渡米したが苦労の連続だった。彼女は日本人という黒人でも白人でもないマイノリティーで女性というハンデを背負って見世物的な(着物を着せられピアノを弾かせる)ジャズからオリジナルティを獲得していくが日本ではもっとも評価されてもいいジャズ・ミュージシャンだという。もともとジャズの男性中心主義的な、色物としての女性の扱いがある。

  • 嫁宮 悠

    ジャズ史について語られた書籍は数あれど、日本におけるジャズ文化について語られた書籍は意外にない。しかもジャズと戦後日本文化には密接な関係があると断言する本書の主張には驚きを禁じえない独自性がある。本書は戦後日本文化の学者、しかも外国人であり、ジャズマンでもある著者が、日本におけるダンスミュージックとしてのジャズから始まり、映画、文学、学生運動、アングラ芸術などを取り上げ、戦後日本文化とジャズのインタープレイを解説し、そしてジャズとは何かという本質的な問いにも迫る。日本独自のジャズ喫茶文化への辛口評論も見所

  • ゆとにー

    映画をメモがてら…「酔いどれ天使」「嵐を呼ぶ男」「ラウンド・ミッドナイト」「バード」「モア・ベター・ブルース」「死刑台のエレベーター」「大運河」「危険な関係」「殺られる」「十三人連続暴行魔」「略称・連続射殺魔」

  • takao

    ふむ

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