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ヴァレリ-詩集 岩波文庫

ポール・ヴァレリー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003256015
ISBN 10 : 4003256018
Format
Books
Publisher
Release Date
April/1989
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

この詩集は文学作品としての価値の高さを誇るのみならず、ヴァレリー(1871‐1945)という偉大な知性の謎を解く一つの鍵でもある。しかし彼の詩には難解・晦渋なものがあり、訳者は1924年に『詩集』の初訳を公刊して以来、更に研究を積み重ね、この困難を克服した。本文庫版はその訳業の決定版である。綿密な注および年譜を付す。

目次 : 舊詩帖(紡ぐ女/ エレーヌ/ オルフェー/ ヴェニュスの誕生 ほか)/ 若きバルク/ 魅惑(即ち詩篇)(曙/ 篠懸の樹に/ 群柱頌/ 蜜蜂 ほか)/ 『ヴァレリー詩集』註

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ロビン

    マラルメやボードレールなどに影響を受け詩作した他に、小説や評論でも才能を発揮した20世紀フランスを代表する知性ポール・ヴァレリーの詩集。代表作「若きパルク」も収録している。宮崎駿監督の『風立ちぬ』で詩が引用されたのも記憶に新しい。晦渋な詩が多いが、感傷的なヴェルレーヌなどに比べると知性的であるし、ランボーなどと比べると詩のモチーフが古典的であり、また非常に繊細で端正な美しいガラス細工のような詩風と感じた。マラルメ同様詩の形式や音楽性を重視した詩人ということなのでフランス語原詩で読んでみたいところではある。

  • 松本直哉

    「海辺の墓地」の最後の詩節で、強い風に本のページがパラパラめくれて飛び去るイメージは、マラルメの「海の風」の「本はすべて読んでしまった」の感慨に通じる。人間の想念の象徴としての本は、海と風の力の前では無力だ。ここで風は、病み衰えた人間を生きかえらすものとしてある。「風の精」で不可視の霊として詩人に訪れて霊感を与えるのも風だった。「消えた葡萄酒」で対比される巨大な海と一滴のワインもまた、大いなる自然と卑小なる人為の対照であろう。言葉の可能性を限界まで突き詰める詩人は、皮肉なことに最後には言葉から離れる。

  • 双海(ふたみ)

    久々に海外の詩集を。ヴァレリーは詩よりも評論集の方が好みかな。

  • ふくしんづけ

    堅い感じはあるけと、力まずにあるがままを、風景のように受け入れていく。自然発生的な音の流れに、おのずと巻き込まれる。「篠懸の樹に」「蛇の素描」など長詩が光っている。

  • 舊詩帖、若きパルク、魅惑(即ち詩篇)収録。若きパルク(詩篇)の主題は、一連の心理的置換の描写であり、一夜の持続間の一意識の変化である。この詩篇は一矛盾の子であり、一夢想のあらゆる切断と再開始と意想外を持ち得る夢想であるが、意識的意識をその対象と同時にその人物とする夢想でもある。ヴァレリーは抄訳で紡ぐ女、ナルシス語る、眠る女など数篇読んでいるが、その詩作を三期を通して読むのは初めてで、訳者の註釈の手も借りつつも、ヴァレリー独特の思索・思想が感じとれる。

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