音楽教程 講談社学術文庫

五世紀末ローマ有力家門に生まれ、学問的に卓越した著者が集大成した古代ギリシャ以降の音楽理論。一本弦の分割から生じる諸音はそれぞれに当てられる数同士の比によって緻密に特徴づけられる。協和と不協和、オクターヴ、全音と半音の関係、音程と旋律など、西洋音楽の理論的基盤はここに発する。現代にも必須の音楽理論書、ついに本邦初訳！

目次 : 第１巻（導入　音楽はわれわれと自然な仕方で関係しており、道徳をあるいは美しくしたり、あるいは破滅させたりする/ 音楽とは三つである。これら三つにおける音楽の力について　ほか）/ 第２巻（導入/ ピュタゴラスは哲学とは何であると規定したか　ほか）/ 第３巻（アリストクセノスに反し、“単部分超過比”は均等に分割することができず、全音も同様であること/ “３の単部分超過比”から２全音が引かれると、全音の半分は残らないこと　ほか）/ 第４巻（諸音の差は“量”に存すること/ 諸音程に関するさまざまな考察　ほか）/ 第５巻（導入/ 調和の力について。調和を判断する手段とは何か、どの程度まで感覚を信ずるべきか　ほか）

【著者紹介】
ボエティウス : ４８０年頃‐５２４年。ローマ貴族家系の政治家・著述家。ギリシャ哲学の文献などを渉猟、『哲学の慰め』『算術教程』などを著した

伊藤友計 : 明治大学非常勤講師（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）