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ネコのムル君の人生観(上)光文社古典新訳文庫

ホフマン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334104207
ISBN 10 : 4334104207
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

人語を解するネコのムルが執筆した回想録と、架空の音楽家クライスラーの伝記とが交差するホフマンの長編代表作。ムルは飼い主の先生の書物から文字をおぼえ、書斎の本を読み漁って知識を蓄え書くことを習得する。そして、「ドイツ教養小説」の定型にしたがった自伝を記そうとするのだが、そのとき、楽長クライスラーの伝記を吸い取り紙や下書きに使ってしまい‥‥。豊富な訳注と抜群に読みやすい訳文でホフマンの世界を堪能する。

【著者紹介】
エルンスト・テオドール・アマデウスホフマン : 1776‐1822。ドイツの作家。ケーニヒスベルク生まれ。2歳のときに母の実家に引き取られる。ケーニヒスベルク大学法科に入学後、もっぱら作曲や楽器演奏、絵画に励む。卒業後、司法官試補を経て陪席判事に任じられる。1804年、南プロイセン政庁参事官としてワルシャワ入りし、2年後、ナポレオン軍のワルシャワ侵攻のために失職。劇場音楽監督の職を求めてバンベルク劇場と契約。支配人補佐の地位を得た後、作曲家、演出家として活躍する。1814年『カロ風幻想作品集』を出版。旺盛な作家活動を展開し、一躍、流行作家となる。その後、ベルリン大審院判事に復職した。46歳で、脊椎カリエスのため死去

鈴木芳子 : 1987年、早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。翻訳家・ドイツ文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みつ

    人間の書物を理解でき執筆もできる雄ネコのムルの自伝の形をとりつつ、楽長クライスラーの伝記の反故紙に書かれていたため、印刷所に回った際両者が混在して印刷されてしまったという、いろいろな意味で突拍子もない趣向で書かれた小説。ムルに即していうと、上巻はムルの生い立ちから青年時代まで。その飼い主が目をかけている音楽家クライスラーの物語が幾度も差し挟まれる。特に後者は物語の先を仄めかした部分で途切れ、ムルの語りに戻るため、読書ペースはつかみにくい面もある。ムルの恋は破れ、クライスラーは危機に陥った模様。ここで下巻へ

  • フリウリ

    ネコのムル君が自ら筆をとる「人生観」を印刷したところ、その原稿には、別の反故原稿(ムル君の飼い主である宮廷楽士クライスラーの自叙伝)が混じってしまい、2つのストーリーが交互に進むことになってしまいました、という編集者によるお詫びから始まる小説。「なんでもあり」の文芸ジャンルとして始まった小説の真髄(=遊び心)が、徹底的に発揮されているのがすばらしい。内容は、18世紀の啓蒙思想を継承したドイツ・ロマン派の芸術・世界観が基盤になっていますが、その理屈はともかく、この「遊び」に出会えただけで、幸せです。9

  • アドソ

    ホフマンの新訳がと飛びついたはいいものの、「ブランビラ王女」が全く意味不明というトラウマもあり、なかなか読み出せず。ネコのムル君の自叙伝と、その間に楽師クライスラーの伝記が挟まれるという奇天烈な構成。しかもどちらかといえば後者の割合が多い。これはまたトラウマ級かと思いきや、以外にも読んでいて飽きがこない。しかも上巻終盤はにわかに面白くなる展開で、はやく下巻が読みたくなってしまうから不思議。

  • ハッカ飴

    漱石先生の「吾輩は猫である」と重ねながら読みました。「吾輩」は猫を通して人間のありようを観察、説いているようでありますが、このムル君は哲学、芸術語る、語っています。こうした猫目線で(ってホフマンの目線であるわけですが)、人間世界のいろいろを眺めてみるのが楽しかったです。芸術や音楽の知識、いわゆる教養がない私には理解できなかったところも多いのですが。下巻に行きます。

  • みのり

    シューマン弾きなら避けて通れない、クライスレリアーナの元ネタと言われている小説。岩波文庫で絶版になったものを探し求め必死で読んでいたが、読みにくくて困っていた。ムルパートは漱石の吾輩は猫であるの元ネタらしく、出だしもかなり似ている。こういうものを読むと、日本文学はドイツ文学の影響が現れてるのを強く感じる。

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