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隣りの庭

ホセ・ドノーソ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784773896077
ISBN 10 : 4773896078
Format
Books
Publisher
Release Date
October/1996
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syaori

    「隣の庭」は故郷の家の庭であり、友人のマンションから見る貴族の館の庭、成功した自分が住んでいただろう庭のことなのだろうと思います。作家フリオは故郷チリでは少しは名を知られていたものの、亡命先のスペインでは一冊の本も出版できていません。チリの母が死んで故郷の庭は失われ、妻は鬱に。そのなかで書き直した原稿も出版を断られ、追い詰められ、加速していく物語は最後まさかの結末に。チリ人亡命作家ではなく〈良き夫婦という二頭一体のみごとな動物〉の物語としてのこの結末は確かに「皮肉」なのかもしれませんが、私は好きでした。

  • erierif

    「隣りの庭」というキーワードは祖国、隣人、夫婦、世代、別なセクシャルの事を指すのかなと思った。作家として成功できず鬱屈した精神で「隣り」を眺めてぐだぐだ書かれている。特に夫婦についてはもう息苦しく感じるほど残酷に妻を批判している。「隣り」に対して人って本当に意地悪になるのだなあと辟易していると最後の一章でどんでん返しがあって驚いた。そして『境界なき土地』同様、ドノソは女性やゲイ的な人物の視点を取り入れるのがうまいと思った。主人公がラテンアメリカ文学全般を批判している部分がとても面白い。

  • イコ

    俺がホセ・ドノソと相性が良いのか、他のラテンアメリカ文学と比べるとかなり読みやすかった。ドノソの代表作は別荘と夜のみだらな鳥と言われているが、他の小説たちも傑作揃いです。隣の庭は小説家小説であり、自伝的な苦悩と、最後の展開が良いまさかのどんでん返しだ。エンタメと文学を混ぜた総合小説に肉薄していると言っても良いかもしれない。フェミっぽい感じもあり現代でも通じる感性が、時の劣化に耐えられる不朽の文学を作ることができるのだろう。代替え不可能な不世出の天才です。ブームが再燃しているので、他の小説も翻訳してほしい。

  • ぎじぇるも

    軍事独裁政権となった故郷チリを隣りの世界から望みつつ望郷の念を抱き、亡命作家としてうだつの上がらなさに耐える。「人は故郷への帰還を夢見るが、故郷とは〜略〜特定の庭に面した特定の窓、人間の様々な関係に照明を当てる個人的な物語の絡み合う緑色の絨毯なのだから。」はエピローグでグロリアが語るなぜフリオと別れなかったかという理由にリンクする。 それは何故「チリを捨てなかったのか」にもかかる真理の一側面じゃないかなぁと思いました。

  • akubi

    愚痴や嫉妬やあらゆる言い訳が哀しく響き、苦悩と挫折、なにものでもないという孤独に、夜の暗い荒れた海みたく心が騒ぐ。 そしてその根底に巧みに隠された郷愁と、居場所の永遠の喪失の恐怖が燻り、情熱の炎をふっと吹き消してしまう。 最後の数ページのカタルシスとおかしみ。 抗うことをやめて、それぞれが自分で在ることを認めたときにようやく救われる。 Please, don't disturb! すごく遠回りなのけれど、きっとたぶん、幸せなんです。

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