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別荘 ロス・クラシコス

ホセ・ドノソ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784773814187
ISBN 10 : 4773814187
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

とある小国の経済を牛耳るベントゥーラ一族の人びとが毎夏を過ごす辺境の別荘。ある日、大人たちが全員ピクニックに出かけ、別荘には33人のいとこたちだけが取り残された。日常の秩序が失われた小世界で、子どもたちの企みと別荘をめぐる一族の暗い歴史が交錯し、やがて常軌を逸した出来事が巻きおこる…。チリの巨匠ホセ・ドノソの、『夜のみだらな鳥』と並ぶ代表作にして、二転、三転する狂気をはらんだ世界が読む者を眩惑する怪作、待望の邦訳!!1973年チリ・クーデタに触発されたドノソが、類い希なる想像力を駆使し、偏執的とさえいえる緻密な構成で書き上げた、理屈抜きに面白い傑作。後続する作家や世界の批評家たちを今なお魅了しつづける、ラテンアメリカ文学の金字塔。

【著者紹介】
ホセ・ドノソ : 1924年、チリのサンティアゴのブルジョア家庭に生まれる。1945年から46年までパタゴニアを放浪した後、1949年からプリンストン大学で英米文学を研究。帰国後、教鞭を取る傍ら創作に従事し、1958年、長編小説『戴冠』で成功を収める。1964年にチリを出国した後、約17年にわたって、メキシコ、アメリカ合衆国、ポルトガル、スペインの各地を転々としながら小説を書き続けた。1981年、ピノチェト軍事政権下のチリに帰国、1990年に国民文学賞を受けた。1996年、サンティアゴにて没

寺尾隆吉 : 1971年名古屋生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。メキシコのコレヒオ・デ・メヒコ大学院大学、コロンビアのカロ・イ・クエルボ研究所とアンデス大学、ベネズエラのロス・アンデス大学メリダ校など6年間にわたって、ラテンアメリカ各地で文学研究に従事。政治過程と文学創作の関係が中心テーマ。現在、フェリス女学院大学国際交流学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    別荘で休暇を過ごす一族を描いた群像劇。兎に角登場人物が多く、最初は人名が出てくる度に登場人物一覧を見直さねばならないほど。しかも全員が全員どこかずれていて一般の価値観を持った者は誰一人存在しない。読み進めるに従ってその不穏感が現実を侵食していく。物語の底流を成す人肉食への恐れとか、現実と切り離されたかのような別荘の時間や子供達の一切を支配する「侯爵夫人は五時に出発した」という遊び、そして霞んで消えていくような終末感。読んでいるうちにこれらが渾然一体となって、自分まで別荘の中で彷徨っているようだった。

  • zirou1984

    33人のいとこ達が次々と入れ替わり立ち代わる一部は大変だが、物語が強引なまでに加速していく二部は圧巻だった。別荘の所有者であるブルジョア階級とその使用人たち、そして彼らと取引を行う原住民と外国人。それらの関係性が異変によって崩れ去り、緊張感を孕みながらもその物語を推進していくのは歓喜と欲望と捻れを抱えた子供たちであり、作者自身でもある。政治的批判こそ根底にあるのだが、想像力の飛翔ぶりがその意図以上の場所へ物語を連れて行き、その面白さは次々と誘爆してくかの様に拡大する。夜みだ同様、とんでもない本であった。

  • まさむ♪ね

    ああ、もうすべてが規格外。登場人物、ベントゥーラ一族総勢50名。どいつもこいつもどうかしてるぜ。33人のいとこたちは得体のしれない遊戯「公爵夫人は5時に出発した」に興じ、大人たちは腹に一物ある執事、召使らを伴い喜々としてピクニックに出発する。窒息死を引き起こすほどに大量の綿毛を放出する怪植物が一帯を覆い尽くし、原住民人喰い人種が入り乱れる一家の別荘に取り残される子供たち。空間は血に染まり腐臭にまみれ秩序を失いついには時間をも失ってゆく。プラチナ色に光り輝くグラミネアの綿毛が風に舞い何もかも消し去るように。

  • 三柴ゆよし

    マジキチ文学の金字塔たる『夜のみだらな鳥』に比肩する傑作と聞いていたので、期待を裏切られたらどうしようと読むのも恐るおそるだったのだが、その心配は杞憂に終わった。『夜みだ』ほどの迷宮性こそないものの、三十三人の子どもたちが繰り広げる「侯爵夫人は五時に出発した」の狂宴、臭いものには蓋をする大人たちの欺瞞、怪植物グラミネアの猛攻、戒めから解き放たれ吼える狂人、召使い部隊と人食い原住民の大戦争……といった読みどころ満載の大傑作なのである。これは今年一番の大当たりかもしれない。俺界隈の人は読んで損しないと思う。

  • えりか

    極めて狂気的で、申し分なく美しい。

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