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男爵と魚 オーストリア綺想小説コレクション

ペーター・マーギンター

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336076816
ISBN 10 : 4336076812
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

野党カワウソ党の陰謀で国を追われた魚類学者のクロイツ‐クヴェルハイム男爵は、ウィスキー樽の中で六百年前から生きているスコットランドの先祖の加勢を得て、気球戦団を率いてウィーン征伐に出発するも、嵐でピレネー山麓に不時着を余儀なくされる。だがそれは世紀の発見への入口でもあった。神と人、獣と人が自在に交わる博物学の楽園で、ホムンクルスや天上界の存在をも巻き込む一大ページェントここに開幕。

【著者紹介】
ペーター・マーギンター : 1934年ウィーンに生まれる。インスブルックとウィーンで法学と政治学の博士号を得たあと、64年にウィーン商業会議所秘書、71年にトルコのオーストリア大使館付文化担当官に就任。ロンドン大使館に異動後、ウィーンへ戻り、89年まで外務省勤務。その後はロンドンのオーストリア文化事業センター長を務めた。1966年に『男爵と魚』で小説家デビュー。2008年没

垂野創一郎 : 1958年、香川県生まれ。東京大学理学部数学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • rinakko

    頗る好みで面白かった! 野党の陰謀で国を追われ、一族の地スコットランドに逃亡した魚類学者男爵は、気球戦団でウィーン攻めを試みるも、嵐でピレネー山麓に不時着する。そしてそこで歌う魚の噂を聞きつけ、矢も楯も堪らなくなり…。気球が経路を失ったみたく、話もどんどん思わぬ方へと傾れていく。なんて風変わりな物語だろう…と嬉しくなった。男爵と秘書ジーモン其々のメタモルフォーゼ、そこに関わる千里眼の女予言者と錬金術師たち。天人の存在、セイウチ交響曲とは何ぞや…などなど、オーストリアらしさ “ゴシックの軽さ” を堪能した。

  • 氷沼

    『廃墟建築家』に続く第2弾。これまた私の知らない作家である。告知される前から知っていた人はどれほどいるのか...そんな作家を発掘しては、豪華な本に仕立てて私みたいな人間にお届けしてくれるんだから、国書税は安いもんだ。 内容は、「不思議な冒険物語」としか言えない。○○タイプみたいに例えようが無い。まさに綺想である。よくこんな物語が書けるなと。 ちなみに、私は『廃墟建築家』の方が好きだ。

  • 三月うさぎ(兄)

    「あたしが思うに、昨日から矢継ぎ早に起こったことの一つ一つにもう少し注目すべきだ——他のことにかまけてあのことをまるきり忘れてしまうのはどんなもんか」(p.327)  細部が異様に細かいのに、全部置いてきぼりの怪作。面白いよ。先が全く読めなくて天上から地下まですべてが繋がっている的ななんかそんな感じはわかる。わかるんだけど、小説としてどうなんだかはわからん。シリーズ一作目の『廃墟建築家』の一切わからないけど全部きちんと繋がっている作品の方が好みである。マーギンター、お前、思いつきで書き連ねただけだろ。

  • よだみな

    最初はほら吹き男爵のような話だと思って読んでいたら、あらぬ方向に展開していった。出版された年代を読むとそういう時代の空気の影響もあったのかなと思う。

  • ちり

    “空間は自分には無意味なことが意識された。サロメ・サンプロッティが予感したように、望みのままにどこでも一瞬で移動できた。どんな星雲も遠すぎはせず、自分の心は近すぎることはなかった。空間とともに時間の壁も破られた。空間は時間の関数にすぎず、一方が解消されると他方も存在しなくなる/過去に起きたことや、何らかの方法で歴史の流れに介入すれば起こるであろうことをすべて知るものにとって、そんな企てのどこに魅力があろう。この超越的世界の敷居に立ったジーモンは、それだけで欠伸をもよおし、恐ろしいまでの退屈に身が震えた”

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