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まぶしい便り

ペク スリン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784863856837
ISBN 10 : 4863856830
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

悲しみのトンネルの先にあふれる明るい光のように
長い時間を経て届いた切ない和解の挨拶

「遠い国や長い歴史を超えて、封印していた恋の秘密が解き明かされるとき、私たちはきっと前よりも少し成長している。――島本理生(小説家)」

「孤独はそのほかの透明な感情とどれだけ似ているのか、または似ていないのか、?と物語がどこで絡み合い、また解きほぐれていくのか。美しくも強烈な発信である本書が、着信と返信によって次なる物語を生むことだろう。――チョン・セラン(小説家)」


美しい文章とあたたかなまなざしで描くペク・スリンの初長編にして最高傑作

派遣看護師としてドイツに渡っていた伯母を頼り、母と幼い妹とともに西ドイツに移り住んだヘミ。悲劇的な事故により心に傷を負ったまま、孤独な日々を過ごすヘミだったが、伯母と同じ派遣看護師のおばさんたちの子どもであるレナ、ハンスと過ごすうち、徐々に日常を取り戻していく。ある日ハンスから、再発の可能性がある大病を抱える母親・ソンジャの初恋の相手を探してほしいと頼まれる。ソンジャおばさんの日記を手がかりに捜索を始めたヘミだったが、急遽家族で帰国することに。
大人になったヘミは、ある日、大学時代にほのかな恋愛感情を抱いていたウジェと偶然再会する。彼との会話をきっかけに、ヘミは再び、ソンジャおばさんの初恋の相手探しを再開する。



<訳者あとがきより>
本作に使われている最大のモチーフに、「派独看護師(訳文ではドイツ派遣看護師)がある。韓国は一九六〇年代の失業問題と外貨不足を解決するため、海外への人材輸出を決めた。その一環として西ドイツに派遣されたのが、一万人を超える看護師と准看護師である。(略)作中で、大人になった主人公は一見、「いま」から逃げるように派遣看護師の資料探しに没頭する。しかし子ども時代にドイツでその姿を目の当たりにしていた主人公には、彼女らにあてはまる言葉が「愛国」「犠牲」「哀れな先人」などとはとうてい思えない。そこにあったのはだれかの視点でひとくくりに俯瞰できるような人生ではなく、一人ひとりがまぶしいほどに美しく生き抜いている姿にほかならなかった。そしてそこには、著者の、そうであったはずだという思い、そうであってほしいという祈りがある。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイティ

    1960年代、韓国の国策で派遣看護師としてにより西ドイツに渡った伯母を頼って、母と妹とドイツに移住したヘミ。現地の友達ハンスから、母ソンジャの初恋の人を探すよう頼まれる。当時の日記を手掛かりに推察を進めるも、人物特定できないまま韓国に帰国することに。物語はドイツ時代と、大学時代の同級生と仲を深めていく現在のヘミが交互に描かれる。設定はありがちだが、嘘や孤独、喪失感を抱えて生きる一人ひとりにスポットを当て、小さなことにも丁寧に向き合う誠実さを感じさせる文章がずっと心地よかった。タイトル通りの爽やかな読後感。

  • Kanako

    ペク・スリンさんの本は本当にどれも素晴らしい。かけがえのない人との出会い、そして訪れる別れをこうも繊細に描けるものなのか。家計を助けるため、ドイツに看護師として渡った韓国人女性たちが、苦悩や不安を抱えながらもお互いに助け合い、それぞれ大切な出会いを果たす。ドイツと韓国という遠く離れた国々で、お互いを大切に想い合う人々を描く。架け橋となる日記や手紙の存在も愛おしい。切ないのにとても眩しい暖かさを感じる物語。

  • Matoka

    今年のベスト本入り決定!ドイツに准看護師として多くの韓国人女性が海を超えていたという歴史を全く知らなかった。韓国とドイツが結びついていなかった。文章や言葉選びがとても素敵で、情景が映画を観てるかのように目に浮かんだ。亡くなる前に初恋の人を見つけようと時代と国を超えて帆走する主人公たち。優しい嘘のやりとりが切なくもあたたかい。大切な人を想う気持ちをずっとにぎりしめながら生きていく強くて弱い人々の物語…最後の手紙は確かにとてもまぶしく優しく光り輝いていた。

  • naff1968

    他人のことなんてほんとうにはわからない。印象と、言葉の断片だけでついつい決めつけてしまうけれど。このやさしくて、悲しくて、そして美しい物語に猛省を促されてる気がします。

  • 朔ママ

    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

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