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むずかしい女性が変えてきた あたらしいフェミニズム史

ヘレン・ルイス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622090885
ISBN 10 : 4622090880
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

女性が劣位に置かれている状況を変えてきた女性のなかには、品行方正ではない者がいた。危険な思想に傾く者も、暴力に訴える者さえもいた。たとえばキャロライン・ノートン。19世紀に困難な離婚裁判を戦い抜いて貴重な前例をつくった人物だが、「女性は、生まれながらにして男性に劣る」と考えていた。たとえばサフラジェットたち。女性の参政権獲得に欠かせない存在だったが、放火や爆破などのテロ行為に及ぶこともあった。たとえばマリー・ストープス。避妊の普及に尽力し多産に悩む多くの女性を救った彼女は、優生思想への関心を隠さなかった。しかしだからといって、その功績をなかったことにしてはいけない。逆に功績があるからといって、問題をなかったことにしてはいけない。歴史は、長所も短所もある一人ひとりの人間が、身近な不合理を少しずつ変えることでつくられてきた。「むずかしい女性」たちがつくってきたこうした歴史の複雑さを、イギリス気鋭のジャーナリスト、ヘレン・ルイスが余すことなく本書のなかに描き出す。イギリス女性史と現代社会の出来事とを自在に往還してあぶり出される問題は、女性だけではなく社会全体の問題であることが見えてくる。社会の不合理や理不尽に立ち向かうための、あたらしいフェミニズム史。

目次 : 序章 語られてこなかった歴史/ 第1章 離婚/ 第2章 参政権/ 第3章 セックス/ 第4章 スポーツ/ 第5章 仕事/ 第6章 安全/ 第7章 恋愛/ 第8章 教育/ 第9章 時間/ 第10章 中絶/ 第11章 むずかしい女性でいる権利/ エピローグ むずかしい女性のためのマニフェスト

【著者紹介】
ヘレン・ルイス : 『アトランティック』誌のジャーナリスト。『ニューステーツマン』誌の元副編集長。『ガーディアン』『サンデー・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』『ヴォーグ』などで執筆。BBC Radio 4 Week in Westminsterのホスト、News QuizやSaturday Reviewなどラジオ番組のレギュラーパネリスト、The Andrew Marr Showの紙面批評家でもある。オックスフォード大学の2018、2019年度「人文学と女性(Women in the Humanities)」名誉ライティングフェロー

田中恵理香 : 東京外国語大学英米語学科卒、ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 松本直哉

    複雑にもつれた糸をばっさりと単純化したくなる誘惑に抗って、少しずつ解きほぐすような書き方が魅力的だった。むずかしいというより、関西弁でいう「ややこしい」のほうが近い。当たり前の前提とされている家父長的な現実に異議を唱える女性たちを、著者はいたずらに神格化しない。彼女ら自身にも長所と短所があり、誤解され仲間割れする。しかし、女性参政権のために暴力を行使したり牢獄で命がけの絶食をしたりする彼女らの苦闘がなければ、壁が打ち破られることはなかった。英国での事例が中心だが、日本の医大入試での女子減点などにも言及。

  • 奏市

    図書館の新しく入った本のコーナーが好きで、目につきタイトルに惹かれて借りた。がっつりフェミニズムの本を初めて読むんだ。周りと衝突する程信念や行動力を持つ女性が女性の権利獲得・拡大に貢献してきたとの話を実例で紹介してある。イギリスが舞台。そういう「むずかしい女性」であるべき、彼女らを総叩きする社会を変えるべきといった内容。男女問わず西洋の権利獲得は生死をかける事を厭わないとてつもない苦闘の結果と改めて学んだ。東京医科大の女子減点の話も載っていた。他の項目含め先進国の現代の差別例では掲載は唯一。/図書館より

  • Jessica

    今まで読んできたフェミニズムに関するストーリーを色々な面から眺めて、その難しいとされた背景や理由を丁寧に紐解いていくフェミニズム史。数年前に女性は「ややこしい」だかなんだか発言した与党の政治家と、つい先日「差別をしている意識はない」と語った首相を見ると今現在の有様にも絶望しかありませんが、この本を読むと権利の獲得は闘争の歴史だったのだなと励まされるようです。

  • カモメ

    離婚や中絶のテーマから、女性はかつて従属的な存在とされており、女性より胎児の方が大切にされてきたのが分かる。フェミニズムとは自立に関わる話であった。フェミニズム活動に取り組んだ女性たちは称賛されるような功績ばかりではなかった。参政権を求めたサブラジェットは平等な者同士であれば理性が力に勝るが男性と女性は平等でない、弱々しい女性らしさを払拭することを理由として暴力的な闘争を擁護していた。

  • もち

    北アイルランドでは、最近まで中絶が法的に認められていなかったことに驚いた。内容はイギリスのフェミニズムの歴史だが、日本のフェミニズムの歴史についてもこんなふうに知りたいと思った。

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