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戯曲 ニーベルンゲン 岩波文庫

ヘッベル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003242056
ISBN 10 : 400324205X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「最後のもっとも激しい戦いが始まるのだ。愛するもの同士が、首を絞めあう戦いがな。」ジークフリート、ブリュンヒルト、トロイのハーゲン‥。運命のいたずらか、王たちの嫁取り騒動は英雄の暗殺、そして骨肉相食む復讐に至る。中世ドイツの英雄叙事詩をリアリズムの悲劇へ昇華させた、ヘッベル(1813-63)晩年の最高傑作。

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    北欧神話や歌劇『ラインの黄金』、『ジークフリート』、『神々の黄昏』を基にした、骨肉を血で洗う愛の復讐劇、開幕。昨年、NHKでのバイロイト音楽祭の放送を聴いていて良かったとしみじみと思いました。御蔭でこの本を読む為の予習になって助かった・・・。特出すべきは登場人物の肉付けが現実味を帯びているが故の説得力だ。例えば、武器マニアのトロイのハーゲンは行動しない代わりに人の行動故の成功をやっかみ、若き王グンターは助けがなければ、己の力では何も成し遂げられない事に無自覚な上、見通しが甘いという高貴な身の上故に凡庸だ。

  • 秋良

    ニーベルンゲンの歌を読んだ時、五世紀にこんな血腥くドロドロした話ができてたのか、と思った。二十歳かそこらの女子には、夫を殺された復讐で戦争を起こすクリームヒルトは強烈だった。これはヘッベルが登場人物たちに肉付けし、戯曲化したもの。愛も欲望も憎しみも有り余らせてぶつけ合い、キリスト教的価値観と北欧神話的価値観がせめぎ合う。これは舞台が当たるのも分かる。ノルンによって運命が定められ、結末は悲劇と分かっていても勢いに乗って読むのが止まらない。残酷なアッチラ王がまともに見えるくらいゲルマンが荒々しかった。

  • ろべると

    中世ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」をもとに18世紀後半に書かれた戯曲。同時期にワーグナーが作曲したオペラ「ニーベルングの指環」とは似ているところと似ていないところがある。こちらでは領主グンターの妹であり、ハーゲンの姦計で倒される英雄ジークフリートの妻であるクリエムヒルトによる壮絶な復讐が中心となっている。それにしても武骨な人物が殺しあう様は、フランスのアーサー王伝説などと比べるとあまりに違う。これぞドイツなのだ。あとフン族のアッティラが出てきてびっくり。日本人にとってのチンギス・ハンのような存在か?

  • 迦陵頻之急

    ワーグナーの超大作に先駆けて創作された戯曲。素材となった叙事詩「ニーベルンゲンの歌」は、古代神話的な英雄譚が中世的な宮廷騎士物語に変容してしまった作品で、竜殺しの野生児ジークフリートはボンボンの王子様になっているし、古代ゲルマンの神々は影も形もなく、登場人物は連れ立って教会に行くし、そんな世界観で少々性格のぼやけた登場人物たちが凄惨な暗殺や大殺戮を繰り広げる不調和。それに対し当戯曲の登場人物は近代的な激しい個性と肉付けが付与され、前後で性格の一変するヒロインにも唐突感はなく、激烈な作として完成度が高い。

  • クリスティアン・フレードリヒ・ヘッベル作 1861年 2024年11月15日発行 訳者:香田芳樹 発行者:坂本政謙 発行所:株式会社岩波書店 印刷:精興社 製本:中永製本 定価:本体1050円+税 

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