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メタヒストリー 一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力

ヘイドン・ホワイト

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784861822988
ISBN 10 : 486182298X
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : 歴史の詩学/ 第1部 受け入れられた伝統―啓蒙と歴史意識の問題(隠喩とアイロニーのはざまの歴史的想像力/ ヘーゲル―歴史の詩学とアイロニーを超える方法)/ 第2部 一九世紀の歴史記述における四種類の「リアリズム」(ミシュレ―ロマンスとしての歴史的リアリズム/ ランケ―喜劇としての歴史的リアリズム/ トクヴィル―悲劇としての歴史的リアリズム/ ブルクハルト―風刺劇としての歴史的リアリズム)/ 第3部 一九世紀後期の歴史哲学における「リアリズム」の拒否(歴史意識と歴史哲学の再生/ マルクス―換喩の様式における歴史の哲学的弁護/ ニーチェ―隠喩の様式における歴史の詩的弁護/ クローチェ―アイロニーの様式における歴史の哲学的弁護)/ 結論

【著者紹介】
ヘイドン・ホワイト : アメリカの歴史家、批評家。現在、カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校名誉教授。1928年生まれ。1951年にウェイン州立大学を卒業後、1956年にミシガン大学大学院で博士号を取得。ロチェスター大学、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校の歴史学部で教鞭を執り、1973年、同校の人文学センター長に就任。1976年、ウェズリアン大学で歴史・文学教授を務めたのち、1978年、カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校人文科学部に新設された「意識の歴史(History of Consciousness)」コースの教授に就任。1995年から2014年まで、スタンフォード大学で比較文学・ドイツ研究のコンサルティング・プロフェッサーを務めた。1991年、アメリカ芸術・科学アカデミーの会員に選出された

岩崎稔 : 東京外国語大学総合国際学研究院教授。専攻:哲学/政治思想。1956年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おっとー

    邦訳までに43年を要し、もはや邦訳出る出る詐欺と揶揄していた歴史学の大著。歴史の「事実」や実証主義の「客観性」に疑問を投じ、特に19世紀に活躍した歴史叙述者を題材として彼らの歴史へのスタンスやバイアスを分析する。歴史学のフィールドをテーマの多様性から叙述の多様性へと押し広げる可能性を持った作品。しかし、歴史の物語性を語りつつ「4つの喩法」「4つのプロット」という固定的(素朴的)にも見える分析手法を採用したり、自身の著作をわかりにくい・つまらないと断言したり、筆者のスタンスはふわふわして超ひねくれている。

  • roughfractus02

    歴史学には自然科学のような説明モデル(例:地動説と天体の楕円軌道モデル)がないゆえに他の学的領域にモデルを求める、と著者は言う。文学的プロット化、自然科学的論証、社会科学的イデオロギーの3領域からモデルを借りて、各々修辞(アイロニー、隠喩、換喩・提喩)を駆使して歴史がその正統性を主張する様を、本書は、歴史が体系化する19世紀にアイロニー→隠喩→換喩・提喩→アイロニーの螺旋的段階として描出する。著者は歴史を解釈と捉え、それを分析する自らも歴史の詩学(かつ説得術)と認めつつ、終わりない歴史への懐疑を提起する。

  • 渡邊利道

    十九世紀の歴史学の代表的著述家を言語論転回以後の哲学・文芸批評の方法で論じた大著。物凄い大著なので読むのも大変だがその実叙述は簡明で時間はかかるもののすっきり理解できる。史料から立ち上がる「場」が、ストーリーとして把握され叙述の上でプロット化され、論証されてイデオロギー的に意味付けられるという流れ。扱われるのは前提となる歴史哲学にヘーゲル、十九世紀の「リアリズム」的歴史家としてミシュレ、ランケ、トクヴィル、ブルクハルト、それに対する反リアリズムの歴史哲学者としてマルクス、ニーチェ、クローチェ。

  •  

    大著だが読みにくくはない。前提とされることは、歴史記述が「始-中間-終」という「プロット」の構造を持っており、ノースフロップ・フライの理論を援用しながらそのプロットを構成する方法を「ロマンス劇」「悲劇」「喜劇」「風刺劇」として分類する。あるいは、歴史記述には「喩法」が設定されており、具体的にはミシュレの「隠喩」、マルクスの「換喩」、ランケの「提喩」、ブルクハルトの「アイロニー」など。このように歴史記述を「内容」ではなくて「形式」として見てゆくこと、「メタ」ヒストリーの試みは端的に言えばこれである。

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