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見出された時 I 岩波文庫

プルースト

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003751220
ISBN 10 : 4003751221
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

幼年時代の秘密を明かすタンソンヴィル再訪。数年後、第一次大戦さなかのパリでも時代の変貌は容赦ない。新興サロンの台頭、サン=ルーの出征、「破廉恥の殿堂」での一夜…。過去と現在、夢と現実が乖離し混淆するなか、文学についての啓示が「私」に訪れる。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    ★『失われた時を求めて』岩波文庫版全14巻完読プロジェクト、 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11525156 今回は、ラス前第13巻『見出された時T』、愈々ラスト1冊まで来ました。本巻は『フランス貴族の退廃&没落、宴の後』の巻でした。続いて最終巻『見出された時U』へ。トータルの感想は、全14巻完読後に。

  • lily

    私の恋の葛藤は一旦片隅に置いて、戦争論、芸術、文学論へと意識は益々深い森の中へと彷徨う。そしてまた私の内面と全てがシンクロする。真の人生、ついに発見され解明された人生、それゆえ本当に生きたといえる唯一の人生、それが文学である。真実を学ぶには苦しまなければならないほど出来が悪くても。例えば女の発掘に長けているのが嫉妬だとしても...文学を愛する人間で、プルーストに出逢えてよかった。再読を何回重ねても飽くことなく、その都度溢れるほどの新たな発見があるだろう。文学の世界一周旅行をしてるような絢爛を極めている。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    『失われた時を求めて』も最終章に差し掛かりました。戦争によって知っている人がどんどん、いなくなっていく事に寂しさを覚えます。また、見聞したことで一瞬でクルリと変わる人物の見方は実に普遍的。そして生活から離れ、内省に至る時に見出した文学論はまさに白眉だ。当時は自分を惑乱させ、一大事だった出来事も感情も想いも時の流れとともに微かなものと化し、いつかは忘れ去られていく。だけど、ラスト一文が私には無性に悲しく、思えた。

  • のっち♬

    大半が戦中のパリを舞台とし、登場人物たちを担い手として戦争をめぐる様々な言説が綴られる。中でも著者の思想を色濃く投影したシャルリュス男爵の時流に乗らない論理的な言説が際立ち、彼が娼館で鞭打たれる場面も生々しくて強烈。一方で、新聞記事を誇張して吹聴する人間の愚かさを風刺するのも忘れない。「文学作品の素材はことごとく私の過去の人生にある」—芸術過食症になりがちな今こそ、記憶からエッセンスを、印象から想念を見出して、暗闇と沈黙の中から真正な書物を生み出そう。人生は文学、誰もが自分自身の作者で翻訳者で読者なのだ。

  • 燃えつきた棒

    この巻では、戦争が描かれる。アルベルチーヌを失った「私」は、熱病から覚めた人の目で、登場人物たちそれぞれの戦争を視つめる。 自分から戦争に飛び込んで、雄々しく戦うサン=ルー、なんとかして兵役から逃れようと必死で画策する者、周囲の目が戦争一辺倒になっているのを幸に、自らの悪癖に耽溺するシャルリュス、戦争アイテムを巧みに取り込んで、相も変わらずサロンでの夜会に興じるヴェルデュラン夫人。 この辺りの描写は、カミュの「ペスト」を想起させる。

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