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溺れるものと救われるもの 朝日選書

プリーモ・レーヴィ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022630223
ISBN 10 : 4022630221
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

アウシュヴィッツ生還から40年、レーヴィの自死の1年前に本書は刊行された。善と悪とに単純に二分できない「灰色の領域」、生還した者が抱える「恥辱」、人間が持つ最も恐ろしい悪魔的側面を描いた「無益な暴力」、アウシュヴィッツが風化することへの恐れを論じた「ステレオタイプ」…これらは実際に地獄を体験した者でなければ語れない。アウシュヴィッツは、生存者のその後の人生にもつきまとった。生き残ったものたちは、生きる喜びを奪われ、いわれのない罪の意識と戦い続けた。生還以来、その体験を証言し続けてきたレーヴィは何を思い、生きたのか?そして、地獄を生き抜いた者が、なぜ自ら死を選んだのか―?古典的名著、復刊。

目次 : 1 虐待の記憶/ 2 灰色の領域/ 3 恥辱/ 4 意思の疎通/ 5 無益な暴力/ 6 アウシュヴィッツの知識人/ 7 ステレオタイプ/ 8 ドイツ人からの手紙

【著者紹介】
プリーモ レーヴィ : 1919年トリーノに生まれる。44年2月アウシュヴィッツ強制収容所に抑留。45年1月ソ連軍に解放され、同年10月イタリア帰還。戦後は化学者として働きつつ自らの体験をまとめ、イタリア現代文学を代表する作家の一人となる。87年自死

竹山博英 : 1948年東京に生まれる。東京外国語大学ロマンス系言語専攻科修了。現在立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 作者のレーヴィはこの本を刊行した1年後に自死をしたらしい。アウシュヴィッツでたくさんの人が命を落としていくなか、自分は生き残ったという罪の意識に耐えきれなかったのだろうか。周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して感じる罪悪感のことを、サバイバーズ・ギルトというらしい。これはアウシュヴィッツを生き残った者達だけでなく、例えば東日本大震災で生き残った者達にも芽生えてしまうものである。アウシュヴィッツだけでなく、ナチスがユダヤ人達に対して行ったことを、この先永遠に語り続ける必要があると感じた。

  • 1.3manen

    1986年初出。研究もされていないのは、秘密保持者がもう一方の側に、抑圧者の側にいたこと(7頁)。権力は人間の組織すべてに、制御、簒奪されたものとして存在。権力が集団に有害か証明はないが際限ないもので上限なし(43頁)。だから暴走を阻止する仕組みが問われる部分。権力は麻薬の如し。依存症、中毒症状が強い。教条的傲慢、命令権が法軽蔑につながる(67頁)。驕れる平家久しからず。自殺は人間特有で動物になし(78頁)。排泄、裸体の強制(122頁)に人権は皆無。

  • 無識者

    手遅れの状況、なにもできない状況というのがある。事前に予防するしかないのかもしれない。ラーゲルで生き抜くには運とその場その場での利己的な精神が必要だったが、皮肉なことにそのその場かぎりの利己的な精神ナチスをささえラーゲルを作った。読んでいて暴力の支配というのが案外日本の運動部とかで思い当たること、力の誇示.徹底した序列化、があるから恐ろしい。

  • donut

    亡くなる一年前に書かれたもの。自著に対して送られてきた手紙を手厳しく批評する箇所を読んだ上で安易に感想を書き連ねるのは憚られるが、もし自分が権力から命令を受ける立場だった場合、自分の良識に従って判断し、時には命令に背くことができるだろうかということを考えさせられた。ヘティによって解雇された戦争未亡人の話が印象に残る。また、収容所の犠牲者たちが解放後、聴衆の目の中になぜ抵抗しなかったのかという批難を読み取ってしまうという話も興味深い。生き残るべきだった他人の代わりに生きているのかもしれないといという罪悪感…

  • ゴロチビ

    「これが人間か」や「休戦」とは違って文章が抽象的で難解だった。虐待された側が何故「恥辱感」を抱いてしまうのか分かったような気がする。レーヴィの自死の一年前に書かれたらしいが、鬱病になるのも分かるような気がした。最後のドイツ人からの手紙の章は、レーヴィの苛立ちや焦燥感が生々しく伝わって来て、まるで自分が糾弾されてるようにドキドキした。訳者あとがきにもあるように、条件が揃えば普通の人でも虐待する側になってしまうという、人間の持つ危うさを私達は忘れてはならないと思う。

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