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周期律 新装版 元素追想

プリーモ・レーヴィ

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784875024873
ISBN 10 : 4875024878
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

アウシュヴィッツ体験を持つユダヤ系イタリア人著者の自伝的短編集。アルゴン、水素、亜鉛、鉄、カリウム…化学者として歩んできた日々の挿話を周期表の元素とからめて語る。「青年時代に訪れた浜辺や渓谷と同じように、あらゆる元素が何かを誰かに語りかけるのである…」アウシュヴィッツを生き抜いた著者ならではの生命観、宇宙観を背景に、科学と文学を高純度に融け合わせた逸品。

目次 : アルゴン/ 水素/ 亜鉛/ 鉄/ カリウム/ ニッケル/ 鉛/ 水銀/ 燐/ 金〔ほか〕

【著者紹介】
プリーモ レーヴィ : 1919年、イタリア北部の工業都市トリーノで、ユダヤ人の家系に生まれる。37年、トリーノ大学に入学し、化学を専攻する。43年9月、イタリアがドイツ軍に占領された際、レジスタンス活動に参加するが、12月に捕えられ、アウシュヴィッツ強制収容所に抑留。45年1月、ロシア軍により奇跡的に救出される。帰国後、化学工場に勤めながら作家活動を開始。収容所での体験を書いた『これが人間か』(邦訳:旧題『アウシュヴィッツは終わらない』、朝日新聞出版、2017)Se questo `e un uomo(1947)で高い評価を得る

竹山博英 : 1948年、東京生まれ。78年、東京外国語大学大学院言語科学研究科博士課程前期課程修了。79〜81年、ローマ大学留学。立命館大学文学部教授を経て立命館大学名誉教授。イタリア現代文学・民俗学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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面白い短編集だった。フィクションがあった...

投稿日:2021/02/24 (水)

面白い短編集だった。フィクションがあったりと色んな話がありながら、全体の形やトーンがうまくまとまってレーヴィの世界観が伝わってくる。過酷な体験を語りながらも、何かそこには明るさというか爽やかな透明感がある。ユーモアとは違う何か独特の明るさ。手元に置いておきたい一冊。

huhuhum さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • donut

    元素の名前を冠した21の追想と若かりし頃の創作。青年期に情熱を持って化学者となる道を選び取った著者が「自分の職歴が終わりつつあり、もはや技芸が及び難い存在でなくなる」ことを自覚した時、蘇ってくる元素の名前一つ一つに結びついた記憶。そこには仕事への矜持と数々の挫折に由来する哀愁が満ちている。人物や世界を見る眼差しと化学の知識とが自然に溶け合うような文章はこの人にしか書けないだろうと思う。一人の人間の生涯が、一つの時代が、封じ込められているという印象をこれほど強く感じる本はなかった。本当に素晴らしい本でした。

  • ミムロ犬

    まず、もはやアウシュヴィッツという文脈だけで語られるべき作家ではないということ。一族の(滑稽な)伝承を語るにも、戦時の苦難を語るにも、あるいは元素や化学の叡智を語るにも、突飛な幻視ではなく抜き身の言葉でこれだけ惹き込むこの文章、人生を文学に昇華する凄まじさ。悪口事典としても有用で、ラカ(脳なし)、センサ・マノード(文なし)、メダ・メシュナ(畜生め)、等々出てくる。面と向かって文句言えない人への対抗術として。迫害されたユダヤ人にとってはそもそもそういう用途だったらしく、したたかな知恵だなあと感心。

  • ぱせり

    次々にあらわれる元素の間から、きらっと光る美しいものを見つけて、目を瞠る。だけど、それは長くは続かない。最後に残るのは、重たい問いかけである。わたしは、「盲人の国に少なからず存在する、単眼の人物の一人」だろうか。「正直で無気力」な一人だろうか。

  • mim42

    アウシュビッツ経験を含む迫害されたユダヤ人化学者の手記。多くの話は文学で風味づけされた化学四方山話。正直、化学にもユダヤ人迫害の歴史にも大きな興味を持てない私でも、そこそこ楽しめた。解説や解題として、理系出身の人向けに化学式を書いて欲しいところも多かった。「被害者」の文学には共通するものがある。記録と矜持と責任だ。レーヴィのそれにはユーモアが入り込める余地は少なく再読欲は低い。なぜなら、私が文学で最も重視しているのはユーモアや諧謔だから。

  • wakkie

    着想がユニークだし、どんなものかと読んでみたら、思った以上に面白かった。SF的なものから体験談まで取り混ざっているのにまとまりがある。レーヴィの透明感のある世界が好きです。

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