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リリス

プリーモ・レーヴィ

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784771026728
ISBN 10 : 4771026726
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ある極限状況下で人はいかにグロテスクに、あるいは高潔に振る舞うか。絶滅収容所から奇跡的に生還したイタリア系ユダヤ人プリーモ・レーヴィ。短編小説集の本邦初訳。作家レーヴィの想像力は絶望の過去を乗り越え、あり得ない未来の希望へと飛翔する。

目次 : 来たるべき過去(カパネウス/ 曲芸師/ リリス/ 弟子/ 我らが印/ ジプシー/ 聖歌歌手と古参兵/ アヴロムの物語/ 偽装に疲れて/ チェーザレの帰還/ ロレンツォの帰還/ ユダヤ人の王)/ かつてあった未来(穏やかな星/ 剣闘士/ 神殿の野獣/ 免疫異常/ 渦を巻く熱気/ 橋を作るものたち/ セルフ・コントロール/ ある詩人と医師との対話/ 風の子供たち/ 逃げてゆく傑作/ 「いとしい母さん」/ しかるべき時に/ タンタル/ 沼地の姉妹/ ある遺言)/ 示唆的現在(魔術師/ 分子の挑戦/ グエッリーノの谷/ 本の娘/ お客/ 暗号の解読/ 週末/ 魂と技師/ 短い夢)

【著者紹介】
プリーモ レーヴィ : 1919年トリーノに生まれる。44年2月アウシュヴィッツ強制収容所に抑留。45年1月ソ連軍に解放され、同年10月イタリア帰還。戦後は化学者として働きつつ自らの体験をまとめ、イタリア現代文学を代表する作家の一人となる。87年自死

竹山博英 : 1948年東京に生まれる。東京外国語大学ロマンス系言語専攻科修了。立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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過去、未来、現在というテーマ別に分けられ...

投稿日:2021/02/24 (水)

過去、未来、現在というテーマ別に分けられ、過去の記録やSF的なフィクションだったりとこれも色んなタイプの話が集められ面白かった。この3つのテーマはイタリア語の時制に関連しているらしい。来るべき過去、過ぎ去りし未来、示唆的現在、と矛盾した言葉の組み合わせを持つイタリア語の時制に着想を得たという。また読みたくなるような気がする…。

huhuhum さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • どんぐり

    著者のプリーモ・レーヴィはアウシュヴィッツを体験したユダヤ系イタリア人で、最期は自殺で亡くなっている。本書は「来たるべき過去」「かつてあった未来」「示唆的現在」の3つに分かれた短篇36話。アウシュヴィッツ収容所の体験を記した「来たるべき過去」の作品以外は、メタファーの効いた幻想小説ともいうべきか少々難解だ。「来たるべき過去」に収められた<ユダヤ人の王>の物語では、アウシュヴィッツ収容所のことを「世界の肛門」というグロテスクな言葉を使って、次のように書いている。「1944年9月、ロシア軍の前線がその地域に近

  • たまご

    レーヴィらしい,ナイーブな純粋さをややシニカルとユーモアに隠した筆致に,特に未来の章で幻惑されます.あああー,本が手元になくって,残念なんですが,大きく3章にわけてたそれぞれのタイトルがステキすぎる.イタリア語の自制の名前がついていて,「まだ見ぬ過去」「やってきた未来」「過ぎ去った現在」みたいな感じの小題.これだけ見れただけでも自分的には満足(原文も翻訳も)…!(^^)!

  • きゅー

    全体が3つのジャンルに分かれる短編集。「来るべき過去」はアウシュヴィッツでの体験談、「かつてあった未来」はSF小説、「示唆的現在」は実在の場所や人物に関連する短編集となっている。その中でも「来るべき過去」は、彼の他の著作で登場した人物が登場し、当時から数十年が経ったからこそ文字にできるエピソードが綴られており特に興味深く読むことが出来た。これまで邦訳された作品に較べると補遺的な内容となっているので、もしレーヴィの初読者なら『溺れるものと救われるもの』や『今でなければいつ』といった作品をおすすめしたい。

  • ヴィオラ

    昔々に、3部構成の第2部がSF(というより幻想小説寄りかな?)という理由で買った…気がする1冊。種の境界が曖昧になっちゃう話とか楽しくて好きなんだけど、どうしても第1部のアウシュビッツ絡みの短編の方が印象に残っちゃうかなぁ…。レーヴィさんもつまみ食いつまみ食いで、あまり読めていないので、せめて「休戦」あたりは読んどきたい。

  • donut

    収容所で出会った人々に焦点を当てた短編から、化学や生物の知識に基づいたSF短編、古典文学への豊富な素養を感じさせる短編に至るまで、レーヴィの引き出しの多さに感心させられる短編集。失われつつある過去や忘れ去られていく人物を記憶に留めておきたいという強い欲求を感じる。自分に関わった人の後日談や、拾った硬貨の歴史などにまで及ぶ飽くなき好奇心と、そこに物語を見つけ出す嗅覚の鋭さ、それを物語る巧さには脱帽。幻想的な短編もどこか地に足の着いたレーヴィの「経験の果実」であると感じられる。

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