ブルース・チャトウィン

Individuals/organizations Page

Books

ウイダーの副王

ブルース・チャトウィン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622079088
ISBN 10 : 4622079089
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「何ゆえにこうした神秘に惹きつけられるのか、彼にはついにわからなかった。
流血のせいなのか? 神のせいなのか? 汗の匂いや、濡れて光る肉体のせいなのか? 
この熱中を断ち切ろうにも彼の力はまったくおよばず、結局、アフリカが彼の運命なのだと納得して、
彼はアフリカの花嫁をめとった。」

この物語は1970年代のベナンで始まる。各地から集まったダ・シルヴァ家の一族が、
開祖フランシスコ・マノエルの没後117年を記念する祝宴を繰り広げていた。
フランシスコ・マノエルはブラジルでの極貧生活に見切りをつけ、1812年、大西洋を渡り、
西アフリカで奴隷商人として身を立てる決心をする。鉄の意志のほか何の武器も持たずに、
ダホメー王から「副王」の地位を得た彼は、ウイダーの地で巨万の富を築き権勢を振るう。しかし、
その栄光も長くは続かなかった……。

大西洋の両岸、二世紀の時間を舞台に、常軌を逸した出来事の連鎖の中のきらめく一瞬をとらえた
映像のつらなりを通じて、人間に可能な残虐さ、酷薄さの極地が描かれ、それゆえに人間の強さ、
情愛の深さが浮かび上がる。『パタゴニアにて』の次にチャトウィンが発表した、魂の震えるような作品。

ヘルツォーク監督の怪作『コブラ・ヴェルデ』の原作ともなったこの作品を、旅する作家・旦敬介による新訳で。

【著者紹介】
ブルース・チャトウィン : 1940‐1989。イギリスの作家。1940年5月13日シェフィールド生まれ。美術品国際競売会社サザビーズに勤務後、エジンバラ大学で考古学を修め、新聞雑誌の特派員記者経験を経て作家となる。第一作『パタゴニアにて』(1977)から数々の賞を受け絶賛された。1989年1月18日に死去。没後ますます人気は高まり伝記や作品論の研究対象にもなっている

旦敬介 : 1959年生まれ。作家・翻訳家。明治大学国際日本学部教授。著書など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • こばまり

    暗黒御伽噺に陶然。非凡な知識量と入念な調査、フィールドワークによりノンフィクションのように読めてしまうが、史実を踏まえた創作である。これで作家が生前に遺した作品は全て読了。残念なことにたった5冊ではあるが。

  • 三柴ゆよし

    事前情報皆無の状態で読みはじめたら、序盤ですさまじいばかりの既視感を覚えたのを、ま……まさかねと笑って読み進めたところが中盤に至り、チャトウィンよお前もか!と思わず読んでいた本を取り落した。マルケス先生完コピ界の闇はますます深いという気がしないでもないが、アフリカで奴隷商人となったブラジル人一族の百年だか二百年だかを描いた小説としては抜群の傑作で、なにしろ場所が場所だけに、『百年の孤独』+『一つ半の生命』(ラブ=タンシ先生!)の感がある。人食い人種とか首狩り族が出てくるだけで、私はうれしいのである。(続)

  • rinakko

    素晴らしい読み応え。実在した奴隷商人をモデルに、彼の人生と末裔たちが描かれている。その冒頭場面は、一族の初代祖先ドン・フランシスコの追悼ミサ。増殖し続けた子孫が一堂に会し…。実のところ、非情で残酷な物語を想像していたが、どうしてどうして…。奴隷販売という経済活動について知らされる内容には慄然とした。所詮そこに築かれた栄光は、如何わしく儚いもの(それを彼の罪と呼ぶべきか…)。人の営みのどうしようもない愚かしさ、過ちへの悔いとその果てに待ち受ける絶望や狂気…に、静かな悲哀が残る。愛おしい場面は灯火のように残る

  • 紫羊

    ねっとりと濃い物語だった。解説にもあったように、ガルシア=マルケスを思わせるというのは確かだが、それでもチャトウィンだから描き切ることができた作品だと思う。

  • 星落秋風五丈原

    訳者による解説が懇切丁寧。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items