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ISBN 10 : 4622079089
Content Description
「何ゆえにこうした神秘に惹きつけられるのか、彼にはついにわからなかった。
流血のせいなのか? 神のせいなのか? 汗の匂いや、濡れて光る肉体のせいなのか?
この熱中を断ち切ろうにも彼の力はまったくおよばず、結局、アフリカが彼の運命なのだと納得して、
彼はアフリカの花嫁をめとった。」
この物語は1970年代のベナンで始まる。各地から集まったダ・シルヴァ家の一族が、
開祖フランシスコ・マノエルの没後117年を記念する祝宴を繰り広げていた。
フランシスコ・マノエルはブラジルでの極貧生活に見切りをつけ、1812年、大西洋を渡り、
西アフリカで奴隷商人として身を立てる決心をする。鉄の意志のほか何の武器も持たずに、
ダホメー王から「副王」の地位を得た彼は、ウイダーの地で巨万の富を築き権勢を振るう。しかし、
その栄光も長くは続かなかった……。
大西洋の両岸、二世紀の時間を舞台に、常軌を逸した出来事の連鎖の中のきらめく一瞬をとらえた
映像のつらなりを通じて、人間に可能な残虐さ、酷薄さの極地が描かれ、それゆえに人間の強さ、
情愛の深さが浮かび上がる。『パタゴニアにて』の次にチャトウィンが発表した、魂の震えるような作品。
ヘルツォーク監督の怪作『コブラ・ヴェルデ』の原作ともなったこの作品を、旅する作家・旦敬介による新訳で。
【著者紹介】
ブルース・チャトウィン : 1940‐1989。イギリスの作家。1940年5月13日シェフィールド生まれ。美術品国際競売会社サザビーズに勤務後、エジンバラ大学で考古学を修め、新聞雑誌の特派員記者経験を経て作家となる。第一作『パタゴニアにて』(1977)から数々の賞を受け絶賛された。1989年1月18日に死去。没後ますます人気は高まり伝記や作品論の研究対象にもなっている
旦敬介 : 1959年生まれ。作家・翻訳家。明治大学国際日本学部教授。著書など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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こばまり
読了日:2021/09/09
三柴ゆよし
読了日:2015/06/08
rinakko
読了日:2015/05/27
紫羊
読了日:2022/09/22
星落秋風五丈原
読了日:2015/08/02
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