ブライアン・エヴンソン

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ウインドアイ 新潮クレスト・ブックス

ブライアン・エヴンソン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901325
ISBN 10 : 410590132X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

最愛の人を、目や耳を、記憶を、世界との結びつきを失い、戸惑い苦闘する人びとの姿。奇妙な笑いののち、得体の知れない不安と恐怖が、読者の現実をも鮮やかに塗り替えていく―。ジャンルを超えて現代アメリカ文学の最前線に立つ作家による、滑稽でいて切実な、知覚と認識をめぐる25の物語。『遁走状態』に続く最新短篇集。

【著者紹介】
ブライアン・エヴンソン : 1966年アメリカ・アイオワ州生まれ。敬虔なモルモン教徒として育つ。モルモン教系のブリガム・ヤング大学で教職に就き、妻も信者だったが、94年に発表したデビュー作Altmann’s Tongueが冒涜的であるとして2001年に破門、離婚して職も失う。“Two Brothers”(98)、「マダー・タング」(07)、「ウインドアイ」(11)でO・ヘンリー賞を計3度受賞。現在、カリフォルニア芸術大学で教鞭を執る

柴田元幸 : 1954年、東京生まれ。翻訳家、東京大学名誉教授。文芸誌「MONKEY」編集長。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞を受賞。現代アメリカ文学を中心に訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    この不思議な世界には入りきれなかった。一緒に震えたり、おびえたり、喪失を悲しんだりできたら良かったのだが。どの短編を読んでも、少し気味の悪い消化不良なものが残る感じがする。こういうのはイヤだと自分の中の何かが拒否しているようだ。

  • 遥かなる想い

    得体の知れない不安と恐怖が満載の短編集である。著者が描く不思議な世界は 冷徹で容赦がない。少し奇妙で 微妙な感覚のずれが面白い。体の一部分の喪失・家族との冷徹な関わり合いが 印象的な短編集だった。

  • 優希

    怖くて不気味、でも読み進めたくなる不思議な引力があるように思いました。シュルレアリスムの色彩と密度の濃さのある世界。世界と現実が変化するような不安感に襲われ、動揺させられます。それが奇妙な味として成り立っているのですね。

  • どんぐり

    『遁走状態』に次ぐ、エヴンソンの邦訳短編第2作。エドガー・アラン・ポーの系譜に連なる作家といわれ、その作品世界は現実と幻想のなかを行き来し、異界や魔界に堕ちていくようなとても奇妙な感覚をおぼえる。表題作の「ウインドアイ」は、内側よりひとつ多い外側の窓に入って行った妹が忽然と消え、この世にいたことさえ否定されていくものだ。全篇そのようないるべき人間の不在と、何者かが棲みついたような憑依と遊離、知覚の喪失と変容の物語、映画で言えば、「世にも不思議なアメージング・ストーリー」だ。

  • masa

    読むと地に着いたつもりの足を刈り取られる。世間と自分のどちらが狂っているのか?それすら愚問だと。僕らと世界の間に取り交わされた筈の、決して反故にされない前提の約束事を次々と暴いていく。最初から四次元ではズレているのに、すれ違いのほんの一瞬を切り取って互いが勝手に運命気取って信じているのだと。この物語はデジタルにオートプリセットできない。まるで千分の一まで繊細に懸命につまみを合わせてチューニングするラジオだ。本の中に魔物が棲んでいて、息を潜め、迎えを待っている。完全に新しく異質。僕の人生で真に驚異な一冊だ。

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