Abendmusiken-cantatas & Sonatas: Meunier / Vox Luminis Ensemble Masques

夕べの音楽……それは北ドイツの港湾大都市リューベックで、取引所の近くにあった聖母教会を会場にして行われていた音楽会のこと。17世紀末、スウェーデンとデンマークで経験を積んだ名匠ブクステフーデが運営していたこの集いは国際的に知られ、年若い頃のバッハもわざわざ大旅行をして聴きに来たほどでした。聖母教会はルター派プロテスタントを奉じており「必ず訪れる死を前に、人はどうすべきか」を考える機会が多かった――畢竟、ブクステフーデがそこで書いた音楽にも「人生の夕べ」に想いを馳せる音楽が少なくありません。８人の精鋭歌手によるソリスト編成でバロック期の傑作を続々録音してきたヴォクス・ルミニスが、彼らと同様ドイツ語圏の17世紀音楽を得意とする古楽器集団アンサンブル・マスクと手を携え制作したブクステフーデ・アルバムは、バルト海に面した北方世界で、バッハ以前の人々が触れていた「人生の夕べ」をいつくしもうとする音楽のひとときを、ありありと今に甦らせます。歌詞の語句をわかりやすく伝える極小編成の歌唱、ヴェテランぞろいの室内楽編成の魅力をみごと収めた自然派録音。低音楽器ばかりの珍しいトリオなど、室内楽曲の選曲も絶妙です。（輸入元情報）

【収録情報】
ブクステフーデ：夕べの音楽

● カンタータ『神よ、われを救いたまえ』 BuxWV34
● ソナタ イ短調 BuxWV 272
● カンタータ『来たれと天使に告げよ』 BuxWV10
● カンタータ『イエス、わが喜び』 BuxWV60
● ソナタ 変ロ長調 Op.1-4 BuxWV255
● カンタータ『おお主よ、心からわれ汝を愛す』 BuxWV41
● ソナタ ニ長調 BuxWV267
● カンタータ『イエスはわが生涯の命』 BuxWV62

　ヴォクス・ルミニス(声楽アンサンブル)
　アンサンブル・マスク(アンサンブル)
　オリヴィエ・フォルタン(チェンバロ)
　リオネル・ムニエ(指揮)

　録音時期：2017年1月
　録音場所：AMUZ (FESTIVAL VAN VLAANDEREN-ANTWERPEN)
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）

　日本語解説付き
　解説訳・補筆：白沢達生
　輸入品番：ALPHA287