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シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス スペインの王子 ルリユール叢書

フリードリヒ・シラー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784864882811
ISBN 10 : 4864882819
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「太陽の沈まぬ国」と謳われたフェリペ二世治下の盛期スペイン。王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、自由の国家の実現を目指すポーザ侯爵に、陰謀と策略をめぐらす宮廷の人々を交えて、友情劇、恋愛劇、政治劇が繰り広げられる。前期シラーの自由概念の到達点となった、全五幕の長大な歴史悲劇。

【著者紹介】
フリードリヒ・シラー : 1759‐1805。ドイツの作家、思想家。ゲーテと並ぶドイツ・ヴァイマル古典主義の代表的人物。1781年、戯曲『群盗』でデビュー。1788年に上梓した『オランダ独立戦争史』によりイェーナ大学歴史学教授として招聘される。1790年代にはカント研究の成果として『カリアス書簡』、『人間の美的教育について』などを出版し、美学者としても思想史に名を残した。1794年から始まったゲーテとの交流は、後期の詩作品や戯曲にも影響を与え、シラーの歿年まで続いた往復書簡は千通にも及んだ

青木敦子 : 1957年、熊本県生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒。学習院大学大学院博士課程修了。文学博士(名古屋大学)。現在、学習院大学および明治大学の非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 松本直哉

    太陽の沈まぬ国に君臨した父王フェリペ二世への屈折した思いを抱える王子ドン・カルロスは、ハムレット的な悩める青年で、終盤で彼が祖父カルロス一世の亡霊に扮するのも興味深いが、主人公よりもいっそう強烈な存在感を発揮するのは彼の親友ポーザ侯爵であり、強圧的な君主フェリペと一対一で向き合って一歩も引かず、専制政治の非人間性や植民地ネーデルランドの民の苦しみを諄々と説く場面は圧倒的。治世末期で白髪も増え、無敵艦隊も敗北を喫し、その栄光に陰りが見え始めた王の索漠とした孤独が胸に迫る。恋と友情と陰謀の織り成す傑作悲劇。

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