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ガラスの顔 創元推理文庫

フランシス・ハーディング

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488151102
ISBN 10 : 4488151108
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

地下都市カヴェルナの人々は表情をもたない。彼らは《面》と呼ばれる作られた表情を教わるのだ。そんなカヴェルナに住むチーズ造りの親方に拾われた少女はネヴァフェルと名づけられ、一瞬たりともじっとしていられない好奇心のかたまりのような少女に育つ。ある日親方のトンネルを抜け出た彼女は、カヴェルナ全体を揺るがす謎に満ちた陰謀のただ中に放り込まれ‥‥。『嘘の木』の著者が健気な少女の冒険を描く。カーネギー賞候補作。

【著者紹介】
フランシス・ハーディング : 英国ケント州生まれ。オックスフォード大学卒業後、2005年に発表したデビュー作Fly By Nightでブランフォード・ボウズ賞を受賞。2014年の『カッコーの歌』は、英国幻想文学大賞を受賞し、カーネギー賞の最終候補になった。そして2015年、7作目にあたる『嘘の木』でコスタ賞(旧ウィットブレッド賞)の児童書部門、さらに同賞の全部門を通しての大賞に選ばれるという快挙を成し挙げ、米国のボストングローブ・ホーンブック賞も受賞、カーネギー賞の最終候補にもなった

児玉敦子 : 東京都生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Shun

    ハーディングの幻想小説。世界観は重厚なファンタジーで、閉塞感のある社会に突如放り込まれた異端の少女がやがて世界を変革していく冒険小説のようでもある。そして本作において最も特質な設定というのが、地下世界に住む人々の”表情”が僅かな種類の<面(おも)>しか身に着けてはならないという通念にあります。地上世界に比べ環境も資源も乏しい国の秩序と統治の為に、低階級の市民たちは表情という自然な意思表示すら抑圧され歯車のような存在として描かれている。そして記憶を失った赤毛の幼子の成長でやがて世界の秘密が明かされていく。

  • Kotaro Nagai

    ハーディング4冊目。2012年長編第5作。この後に書かれたのが「カッコーの歌」(2014)になります。これまで読んだハーディングの作品は、主人公は10代の少女で厳しい環境に置かれながら勇気と機転で切り開いていくストーリーですが、本作もそのフォーマットになります。今回は架空の地下都市カヴェルナを舞台としたファンタジー作品。ヒロインは12歳のネヴァフェル。ルイス・キャロル(ウサギを追って冒険が始まる)やトールキンらの英国ファンタジーの伝統を感じさせる作品。ラストのエピローグで視点が180度変わるのが鮮やか。

  • nori

    『とんでもファンタジー』。地下トンネル都市カヴェルナの人々は面と呼ばれる幾つかの表情を会得するのみ。階級社会であり、歯車として働き続ける労働者達は辛くても苦しくても怒りの表情も哀しみの表情も持たない。突然チーズ造り匠のトンネルに落ちて来た幼女はネヴァファルと名付けられ、宮廷を嫌悪する頑なな親方に育てられた。不思議な事に彼女は一瞬たりと落ち着かず、クルクルと変わる表情豊かで好奇心旺盛な少女に育った。そして勇敢にカヴェルナ社会の闇と陰謀と闘う。表情創りファッションやら、秘薬ワインの匠やらよう考えつくモノだぁ

  • エル・トポ

    ハーディングの初期(2012年)の作品。地下の洞窟に住む世界では、人々が表情を持たずに面細工師から「面(おも)」と呼ばれる表情を教わる。身分の高い者ほど多くの面を持ち、労働者階級は悲しみや怒りといった表情を持たない。世界を支配している陰謀に巻き込まれて(飛び込んで?)いく、記憶をなくした「よそ者」の少女ネヴァフェルは透明なガラスのように考えていることが丸見えの、豊かな表情を持つ。暴れて爆発するチーズ、記憶を操るワイン、人心を操るスパイス、頭のイカれた地図製作者達に彩られた一大ファンタジー。

  • チョコレートコスモス

    一言では表せない複雑さを持っているストーリーだ。本作は、地下世界と、人々は表情を持たず「面(おも)」と呼ばれる仮面を付けて過ごすというところが特徴的な物語だ。そんな世界で、心の内が素直に表情に現れるネヴァフェルという女の子が、他の人と異なる自分がなぜここで存在しているのかを追い求める中で地下世界の争いに巻き込まれていく。私が気に入っている一文は、「辛辣な言葉はどんどん独創的になって…」だ。主人公が信頼している少年が文句を言っている様子についての文だが、少年の愛すべき人柄を表しているなと微笑ましく思う。

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