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カッコーの歌 創元推理文庫

フランシス・ハーディング

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488151089
ISBN 10 : 4488151086
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「あと七日」笑い声とささやきが聞こえる。わたしはトリス。池に落ちて記憶を失ったらしい。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっていて、わたしが偽者だと言う。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。わたしに何が起きているの?『嘘の木』の著者のサスペンスフルな傑作。英国幻想文学大賞受賞、カーネギー賞最終候補作。

【著者紹介】
フランシス・ハーディング : 英国ケント州生まれ。オックスフォード大学卒業後、2005年に発表したデビュー作Fly By Nightでブランフォード・ボウズ賞を受賞。2011年に発表したTwilight Robberyが、ガーディアン賞の最終候補に、また2012年の『ガラスの顔』が、カーネギー賞候補に、2014年の『カッコーの歌』は、英国幻想文学大賞を受賞し、カーネギー賞の最終候補になった。そして2015年、7作目にあたる『嘘の木』でコスタ賞(旧ウィットブレッド賞)の児童書部門、さらに同賞の全部門を通しての大賞に選ばれるという快挙を成し遂げ、米国のボストングローブ・ホーンブック賞も受賞、カーネギー賞の最終候補にもなった。2017年に刊行された『影を呑んだ少女』も同賞の最終候補作に選ばれた

児玉敦子 : 東京都生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yukaring

    『取り替えっ子』をモチーフにしたサスペンスフルなダークファンタジー。グリマーと呼ばれる沼に落ち、戻ってきた11才の少女トリス。目覚めた時に頭痛と共に頭に響く「あと7日」という笑い声。記憶があいまいなトリスに次々と降りかかる奇妙な現象。異常な食欲、話し出す人形、毎夜ベッドに積もる枯葉や小枝と恐ろしい記憶。幼い妹はトリスを「偽者」だと糾弾し奇妙な声は毎日カウントダウンをささやく。果たして自分は本物のトリスなのか?真実を探りだすために恐ろしい冒険にでるトリス。少女の運命が気になりページをめくる手が止まらなかった

  • Shun

    「嘘の木」に続き2冊目。嘘を糧に育つというファンタジー設定とミステリ要素もある先の作品では、児童文学賞の看板からは想像しにくいダークな世界観が描かれていました。そして本作もファンタジー要素はあるが、読み味は冒険小説に寄せた物語となっています。主人公の少女トリスは事故で池に落ちて記憶を失い冒頭から不穏な気配。彼女の両親はトリスを気遣って温かく接するが、妹のペンは彼女を偽物と呼び何やら憎悪の目を向けてくる。耳元で囁く「あと七日」という幻聴や異常な食欲が不気味さを助長し、トリスがいる世界のヴェールがはがされる。

  • taku

    読ませる術を知っている作家だ。視点を主人公に固定させ、章が変わっても場面転換しないから流れのまま読み進められる。深く掘れる要素を幾つか放り込んでも散らかさないどころか、主の筋道以外はページ数の割にあっさり。少女のアイデンティティ発達と、ラベリングを跳ね返す弾力の物語。存在しているのだから、本物も偽物もない。誰かに変わるのではなく、自分になる。ビサイダーは野生動物にも例えられるか。カッコウとモズになぞらえた絡みになるのかと思ってた。

  • コーデ21

    <「あと七日」少女の耳もとで囁く奇妙な声、恐ろしい記憶。わたしは誰?> 先月読んだ『嘘の木』の魅力の余韻がまだ残る中、図書館で借りたフランシス・ハーディング本。ミステリー色の強かった『嘘の木』に比べて今作はいかにも英国らしい正統ファンタジー✨ ページをめくるごとに次々と目の前に映像が立ち昇るほど吸引力の強い物語ワールド! 偽トリスの空白感の切なさと強靭な魂の叫びに胸熱くなりました。巻末の深緑野分さんの解説も素晴らしい〜✨

  • Satoshi

    アニメ化して欲しい作品。実写映画だとデルトモやバートンがおどろおどろしくしそうなので、アニメでこそ本作は魅力を味わえると思う。本作はチェンジリングで取り替えられた偽物が主人公となり、タイム・リミットがあるなか、仲の悪い妹と兄の婚約者と協力して家族の秘密を解く。読者にとっては登場人物誰もが信頼おけず、偽物の異形とその仲間に感情移入せざるを得なくなる。彼女らは本物のトリスと兄の魂を救う。偽物がアイデンティティを求める悲しい物語であるが、ラストは爽やかで読後感はよい。

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