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書物の破壊の世界史--シュメールの粘土板からデジタル時代まで

フェルナンド・バエス

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784314011662
ISBN 10 : 4314011661
Format
Books
Release Date
January/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「50世紀以上も前から書物は破壊され続けているが、その原因のほとんどは知られていない。本や図書館に関する専門書は数あれど、それらの破壊の歴史を綴った書物は存在しない。何とも不可解な欠如ではないか?」―ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、数多の天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心さに及ぶ。幼少期以来、たび重なる書物の悲劇に居合わせてきた著者が、膨大な量の文献や実地調査をもとに、世界各地の書物の破壊の歴史をたどった一冊。17か国で翻訳。

目次 : 第1部 旧世界(古代オリエント/ 古代エジプト/ 古代ギリシャ ほか)/ 第2部 東ローマ帝国の時代から一九世紀まで(コンスタンティノーブルで失われた書物/ 修道士と蛮族/ アラブ世界 ほか)/ 第3部 二〇世紀と二一世紀初頭(スペイン内戦時の書物の破壊/ ナチスのビブリオコースト/ 第二次世界大戦中に空爆された図書館 ほか)

【著者紹介】
フェルナンド・バエス : ベネズエラ出身の図書館学者・作家・反検閲活動家。図書館の歴史に関する世界的権威として知られ、過去にベネズエラ国立図書館の館長を務めたほか、現在も複数の団体で顧問を担当している。2003年にはユネスコの使節団の一員としてイラクにおける図書館や博物館、美術館の被害状況を調査した。2004年にスペインで刊行されたHistoria Universal de la Destrucci´on de Libros:De las tablillas sumerias a la guerra de Irak(書物の破壊の世界史―シュメールの粘土板からイラク戦争まで)でヴィンティラ・ホリア国際エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • BLACK無糖好き

    書物の破壊の原因の60%は、故意の破壊による。書物を破壊する者たちは、世の中の人間を"彼ら"と"私たち"に区別し、敵側の書物は破壊される。残りの原因の40%は、自然災害や事故などによるという。古代から現代に至るまでの各事例を、よくこれだけ細かく調べたなという印象。中でも米国史上最も多くの書物を破壊したアンソニー・コムストックの名は覚えておきたい。◇昨今の台風にて各地の図書館も浸水の被害にあったが、真摯に復旧に取り組んでいる人たちに頭が下がると共に、人間による書物の復元力にも目を向けたい。

  • 三柴ゆよし

    古今の歴史上、創造と破壊がまさしく表裏一体であったことを膨大な資料に基づいて論証した大著。皮肉なことに「書物の破壊」というテーマを扱った本書には、たとえば創作を志す人になにがしかのインスピレーションをもたらすにちがいない挿話が無数におさめられており、ネタ本としての有益性も高い。たとえばこんなのはどうだろう。「(古代エジプトの王子)ネフェルカプタパはビールに浸けたパピルス文書(『トートの書』)を飲み干すと、たちまちこの世のすべての知識を得た。神しか知り得ない、ありとあらゆる叡智を身につけたのだ(71頁)」。

  • Shin

    子供の頃から「本」という存在(形而上学的な意味での)に魅せられ続けているのだが、その理由がこの本を読んで少し分かった気がする。知識や知恵を時代を超えて受け継ぐ器たる書物は、媒体としての脆さを併せ持つことで愛書家たちの情愛を享受しているのかも知れない。災害、戦争、宗教的・思想的不寛容。意図的にせよ、偶発的にせよ、人間は書物を生み出し続けると同時に破壊を続ける運命にある。意味のないことと知りつつ、これまでに失われた全ての書物が失われずにいたらと空想する。それは人類にとって良いことだったろうか、その逆だろうか。

  • 塩崎ツトム

    自然災害・戦争と侵略・思想弾圧……。本が損なわれることは多々あるが、本が消えることに愉悦を覚える人間が一定数存在しているのではなかろうか?そして日中戦争の最中での、日本軍による中国の大学図書館の破壊の歴史にも触れる。そしてテレビをつければイスラエル軍がガザの大学を書物ごと更地にして、さらには本に火を放つ様子を嬉々としてインスタに挙げていて、それとは別に日本では、KADOKAWAへのサイバー攻撃でここ十五年近くのサブカルチャーの記録が滅却される危機に立たされているよ。

  • mft

    「破壊」という語からは人為的な意図的な破壊だけを想像したのだが、自然災害や所有者の死後の散逸まで取り上げており、特に古代の話はそういうものも多くて違和感が拭えなかった。多分原語の "destrucción" の方が日本語の「破壊」より意味の広い語だったということなのだろうが。ともかく、600ページを超える分量の書物喪失の歴史は圧倒的である

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