フェイ・バウンド・アルバーティ

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私たちはいつから「孤独」になったのか

フェイ・バウンド・アルバーティ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622096559
ISBN 10 : 4622096552
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

“21世紀の疫病”と呼ばれ、社会的解決が叫ばれる「孤独」。対処の第一歩となるのは、それが人間の本質的条件であるという見方を疑うことである。ネガティブな欠乏感としての「孤独」が近代において誕生し、複雑な感情群となるその歴史をひもとく。

目次 : 序論 「近代の疫病」としての孤独/ 第1章 「ワンリネス」から「ロンリネス」へ―近代的感情の誕生/ 第2章 「血液の病気」?―シルヴィア・プラスの慢性的な孤独/ 第3章 孤独と欠乏―『嵐が丘』と『トワイライト』にみるロマンチック・ラブ/ 第4章 寡婦/寡夫の生活と喪失―トマス・ターナーからウィンザーの寡婦まで/ 第5章 インスタ憂うつ?―ソーシャルメディアとオンラインコミュニティーの形成/ 第6章 「カチカチと音を立てる時限爆弾」?―老後の孤独を見つめ直す/ 第7章 宿なし、根なし―「ホーム」と呼べる場所がないということ/ 第8章 飢えを満たす―物質性と孤独な身体/ 第9章 孤独な雲と空っぽの器―孤独が贈り物であるとき/ 結論 新自由主義の時代における孤独の再定義

【著者紹介】
フェイ・バウンド・アルバーティ : 1971年生まれ。文化史家。ロンドン大学キングス・カレッジ近現代史教授。専門はジェンダー、感情史、医学史。歴史学博士(ヨーク大学)。イギリス初の感情史専門の研究所であるロンドン大学クイーン・メアリー感情史センターの創立メンバーの一人。マンチェスター大学、ランカスター大学、ヨーク大学等でも教鞭をとる

神崎朗子 : 翻訳家。上智大学文学部英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    「近代の疫病」である孤独は、19世紀までは存在しなかったと著者は言う。「個人」というイデオロギーの台頭によって生まれ、新自由主義で拡大し、ソーシャルメディアの出現で深刻化したと。孤独は社会・経済・政治と結びつけて認識され、英国では孤独担当大臣が登場するまでに至る。社会的弱者が強いられる孤独への対応の必要性については共感するが、私は、孤独を、本来、人間にとって非常に大切な精神として、ポジティブに捉えたい思いがある。「いつから孤独になったのか」より、「いつから孤独を辛いことと思うようになったのか」と問いたい。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    私にとって幼い時から己の不器用さを説明できない無力感や自己不信、苛め、人間関係の複雑さから心を守る為に「孤独」は受け入れざるを得ない事だった。確かに「孤独」は寂しいけど、安寧があった事も確かで。ネットで伝染する孤独感については両側面があり、この本でも少し、言及している。SNSでの閉鎖性や「幸せ」を押し付けるような投稿を見ると心がささくれそうな時はある。でも同好の徒とコミュニケーションが取れたり、新しい発見があるのも確かだ。後、ホームレスの章ですが家族と住んでいても様々な事で同居孤独死が起こる点が抜けている

  • オフィス助け舟

    著者はイギリスの学者。イギリスは孤独担当大臣が設置されるほど孤独・孤立が社会問題化している国。ブレグジットの影響も個々人に影響しているのだろうか。著者の孤独に対する問題意識、危機感がひしひしと伝わる。孤独とともに生きた過去の作家のエピソード、SNSの影響、ホームレス問題など孤独に関する事象を広範に上げつつ、最後に孤独を再定義する。端的に言えば、「孤独は必ずしも疫病のような害をもたらずものではない」「むしろ自ら進んで孤独を選んだのなら有益で創造力の源泉にもなりうる」という。

  • どら猫さとっち

    人間誰しも、孤独になることが多い。愛しても愛されても、SNSでどんなにキラキラした写真や映像をアップしても、大切な人に先立たれても、忍び寄る老いやホームレスになった人たち。そんな人たちの、孤独と向き合う考察についての書。5年前に孤独問題担当大臣職を設置したイギリスで、多角的に捉えた本書。近代以降になって現れた言葉に、私たちはどう向き合い考えるか、語りかけてくる。

  • S

    孤独が歴史的なものであること、単一ではなく複数の感情群であること、身体と結びついているが身体は軽視されていること、孤独をあらわすジェスチャーは存在しないこと、良い面も悪い面もあること。寡婦を取り上げた章で、孤独というより喪失の痛みという点で色々想起されて体がこわばる部分がいくつかあった。孤独によって自分が自分のありたい姿から離れていることが分かる場合も、ということを書いている箇所(結論の最後の方)が興味深かった。感情史という考え方(分野?)そのもの。感情は前言語がなく言語によってはじめて表現されること。

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