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海馬を求めて潜水を

ヒルデ・オストビィ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622090151
ISBN 10 : 4622090155
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

探究心旺盛なノルウェー人姉妹がコンビを組んで、記憶の不思議をめぐる旅へ。海馬はいつ見つかった?記憶と思い出す場所の関係は?記憶力をよくする方法とは?なぜ人は忘れるの?未来を想像するのにも記憶力は必要?―ときに記憶研究の歴史を紐解き、ときに記憶に問題を抱える人たちを訪ね、ときに記憶のスペシャリストたちの門を叩く。生きることと記憶のよき関係を探る、人生の処方箋になること請け合いの一冊。

目次 : 第1章 海の怪物―海馬の発見/ 第2章 二月にタツノオトシゴ(海馬)を求めて潜水を―記憶は脳のどこに定着するか/ 第3章 スカイダイバーが最後に考えること―個人的な記憶とは/ 第4章 カッコウのひな―虚偽記憶はいつ(正常な)記憶の中に忍びこむか/ 第5章 大掛かりなタクシー実験とかなり奇妙なチェス対決―記憶力をよくする方法/ 第6章 忘却は思い出の真珠を作る―なぜ人は忘れるのか/ 第7章 脳内のタイムマシン―過去を思い出すことも未来を想像することも

【著者紹介】
ヒルデ・オストビー : 1975‐。思想史学者。作家・ジャーナリスト。オスロ大学にて思想史の修士号を取得

イルヴァ・オストビー : 1979‐。オスロ大学心理学部准教授。オスロ大学にて神経心理学の博士号を取得。記憶の作用の研究者。ノルウェー神経心理学学会副会長

中村冬美 : 東海大学北欧文学科を卒業の後、スウェーデンのヴェクシェー大学(現在のリンネ大学)北欧言語学科に留学

羽根由 : 大阪市立大学法学部卒業。スウェーデン・ルンド大学法学部修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • よしたけ

    神経心理学者と作家のノルウェー人姉妹が、脳科学者から記憶障害患者まで、幅広い協力者へのインタビューを通じて書き下ろした一冊。記憶メカニズム(長期記憶は海馬に保存され数年かけ脳全体に分散)から、記憶はあまり当てにならないこと(簡単に操作される)、忘却の重要性(大切なことを覚えておくため)、進化における記憶の重要性(未来を想像ための人間の唯一無二の能力)が語られる。軽やかな文章で、壮大なストーリーが頭に入ってくる。重症患者の例を見ると、「記憶がある」という当たり前の有り難みを感じられた。読んで損はない。

  • たま

    実家の整理や自宅の整理で記憶について考えさせられる日が続き、読んだ本。私はエピソード記憶が弱いのだが、この本を読むと記憶はあやふやで当たり前と分り安心した(※)。反対に予定には強いのだが、やはりこの本によれば過去を思い出すことも未来を想像することも脳の同じ働きらしい。作家と心理学者の共著で科学研究を踏まえながら読みやすい文章で一般読者に興味深いテーマを取り上げる好著である。ノルウェーの事件や人物の例が多く、馴染みが薄いのだけが残念。物語も歴史もすべては記憶に依拠している。

  • Risa Shimowada

    驚いたのは過去の記憶と未来のビジョンは脳の動き的には同じだということ。過去と未来がつながるとは思わなかった。記憶そのものがあやふやで変わったり忘れたり、正確な記録装置ではないのは元々そういう目的ではなく、未来を考えるための素材に過ぎないからなのか。生物が生きていく上で過去をベースにした未来の想像が大事、ということなのか。本全体は物語調なのか、結論が無いというか正直私には合わなかったが所々で面白い驚きがあった。匂いや音よりも断然位置情報が記憶とセットというのも意外だった。位置が分からなければ記憶できないとか

  • ルーシー

    16世紀、海馬の発見から物語は始まる。特に面白かったのは第7章で、記憶想起と未来思考について。未来のシナリオを作成し将来に備える能力が人類の進化上大きな利点となったこと。脳内では何も考えていない(と思っている)時でも記憶と未来思考で使う領域は常に活動している、つまり覚醒時間の半分を過去の記憶と未来に起こりうることを考えながら過ごしているということ、などとても興味深く面白かった。脳科学についての本ながら語りが優しく、読みやすかった。タイトルと表紙も美しい。

  • nranjen

    記憶研究のオマージュ、と帯に書いてあるように、バリバリ研究書なわけでもなく、かといって宙に浮いたような根拠のないエッセイでは決してない(ちゃんと論拠がある)不思議な雰囲気の書物。作家と神経心理学者の姉妹が書いた共著というのもおもしろい。文学、現実において、意外に当たり前のように扱われている「記憶」が、実は正体不明のものであり、なかなか曲者であることがわかった。虚偽記憶、物語と記憶、など気になる主題が。タクシー運転手の土地を司る海馬の発達が他の箇所を圧迫しているというのも面白い話だ。

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