Product Details
ISBN 10 : 4560090351
Content Description
「第1回 日本翻訳大賞」受賞!
読者の思考回路をゆさぶる「歴史書/小説」
現代チェコ文学を牽引する作家が20世紀ヨーロッパ史を大胆に記述。笑いと皮肉のなかで、20世紀という時代の不条理が巧みに表出される。20以上の言語に翻訳された話題作、待望の邦訳。
一九四四年、ノルマンディーで命を落としたアメリカ兵は体格のよい男たちで、平均身長は一七三センチだった。ある者のつま先に別の者の頭を置くといった具合に戦死者を一人ずつ並べていくと、全体で三八キロの長さになるという。ドイツ兵も体格がよかったが、一番体格がよかったのは第一次世界大戦に従軍したセネガルの射撃兵で、平均身長は一七六センチだった。そのため、ドイツ兵が恐れをなすようにと、セネガルの射撃兵が最前線に送り込まれたのだ。(本書より)
虚/実、歴史/物語の境界に揺さぶりをかける、刺激的な20世紀ヨーロッパ裏面史。
「『エウロペアナ』は、そうした歴史の解体を徹底的に引き受けながらも、なお、ヨーロッパの二〇世紀を描き出そうとすると『歴史』はこのようになるのだ、というひとつの見本なのかもしれない。」(「訳者あとがき」より)
チェコの鬼才による斬新な「20世紀裏面史」
現代チェコ文学を牽引する作家が、巧みなシャッフルとコラージュによって「ヨーロッパの20世紀」を大胆に記述。国内外で反響を呼び、近年出たチェコ文学としては最も多い20以上の言語に翻訳された斬新な歴史‐小説。
66の段落から構成される本書は、タイトルからすると歴史の教科書のように見えるかもしれない。だが冒頭からその印象は裏切られ、直線的な記述ではなく、時代がシャッフルされていることに気づく。あらすじもなければ明確なプロットもなく、記録、実話、逸話、噂話、スローガン、学説などさまざまなレベルの情報がミックスされ、コラージュされるうちに、「世界大戦」「宗教」「フェミニズム」「工業化」「ファシズム」「共産主義」といった20世紀を象徴するテーマや事件が、「マスタード」「ブラジャー」「インターネット」といった日常のささやかなトピックと思わぬ形で結びつく。「ホロコースト」と「バービー人形」のつながりなど、幾多のエピソードを通じて生まれる笑いと皮肉のなかで、時代の不条理が巧みに表出されていく。
虚と実、歴史と物語の境界に揺さぶりをかけ、読者の認識や思考回路を刺激する。「20世紀ヨーロッパ裏面史」、待望の邦訳。
[原題]Europeana
【著者紹介】
パトリク・オウジェドニーク : 1957年、プラハ生まれ。1984年、フランスに渡り、チェスの講師として働いたのち、雑誌編集や辞書の編纂に携わりながらチェコ語で創作を開始。2001年に刊行された『エウロペアナ』が欧州各地で話題を呼ぶ。小説『偶然の一瞬、一八五五』がラ・スタンパ紙(伊)の2007年のベスト・ブックに選ばれたほか、詩集、戯曲、ユートピア論など、著作多数。パリ在住
阿部賢一 : 東京都生まれ。立教大学准教授。専門は中欧文化論、比較文学
篠原琢 : 東京都生まれ。東京外国語大学教授。専門は中央ヨーロッパ近・現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ケイ
読了日:2019/04/21
nobi
読了日:2024/11/26
matfalcon
読了日:2017/07/12
旅するランナー
読了日:2017/10/06
harass
読了日:2016/04/15
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