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女たちの沈黙

パット・バーカー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152101983
ISBN 10 : 4152101989
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

トロイア戦争、最後の年。トロイアの近隣都市リュルネソスが、ギリシア連合軍によって滅ぼされた。都市の王妃ブリセイスは囚われ、奴隷となった。主は、英雄アキレウス―彼女の家族と同胞を殺した男。ブリセイスは、やはり「戦利品」として囚われたイーピスらと、新たな日常を築いていく。ところが事態は急変する。アキレウスと不仲である総大将アガメムノンが、ブリセイスを無理やり自分のものにしようというのだ。男たちの争いは激化し、軍内部は混乱を極める。そんななか、女たちに与えられた選択肢は、服従か死か。だが、ブリセイスが選んだのは―。戦々の戦争小説を手掛けてきたブッカー賞作家が、西洋文学の起源にある暴力へ遡り、抑圧された者たちの声を高らかに響き渡らせる傑作歴史小説!

【著者紹介】
パット・バーカー : 現代イギリスを代表する作家のひとり。1943年、ノースヨークシャーにて労働者階級の家庭に生まれる。大学で国際関係史を学び、歴史と政治の教師となる。1982年に最初の小説『アイリスへの手紙』を発表すると、文学賞を受賞するとともに映画化され、一躍注目を集めた。作家としての地位を確立したのは、第一次世界大戦を題材とする“再生 Regeneration”三部作(1991年〜1995年、未邦訳)。とくに第三作The Ghost Roadは1995年のブッカー賞を受賞し、2008年にはベスト・オブ・ブッカー賞の候補ともなった。2000年、功績がたたえられ、大英帝国勲章(CBE)を受章した

北村みちよ : 英米翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    「21世紀に書かれた最良の本の一冊」、傑作歴史小説と言うことで、読みました。ブッカー賞も受賞しているイギリスを代表する女性作家パット・バーカー、初読です。文章は読み易かったですが、期待したせいか、トロイア戦争に馴染みがないせいか解りませんが、傑作と言う感じはしませんでした。 https://www.hayakawabooks.com/n/n57b5b0ec6f29

  • syaori

    『イリアス』の冒頭、総大将アガメムノンと英雄アキレウスの諍いは名誉と勲功を巡る争いとして描かれますが、本書はその原因となった戦利品の女奴隷ブリセイスが語るアキレウスの物語。『イリアス』では語る権利を持たなかった彼女が語るのは、その諍いの場面にも、打ち続く戦いの日々の中にも、私は私たちは「物ではなく、ひとりの人間」として様々な思いを抱えてそこに”いた”のだということ。しかし同時にこれは確かにアキレウスの物語で、彼女たち自身の物語には、彼女も言うとおり、別の「新しい歌」が必要なのだということも痛感されました。

  • たま

    『イリアス』のエピソードを女性(ブリセイス)の視点で語りなおす。新聞の書評で『キルケ』好きにお勧めとあり読んだが、違いも感じた。『キルケ』は神と人間の交錯をスペースオペラ的に扱うが、この本の著者は神話要素を極力排除(ヘクトルの遺骸の扱いには疑問あり)。キルケは愚かなニンフから次第に成長するが、ブリセイスは分別があり、先の大戦に志願した英国上流階級出身の看護婦のよう。結末が一番の謎で読んだことないが、ハーレクインロマンス? などなど批判的な感想になってしまったが、知的な刺激も多く、印象に残る本だった。

  • ヘラジカ

    女性たちが声を持たされていなかったが故に荒々しく野蛮なばかりであまり人間味を感じられなかった『イリアス』が、熟練作家の力によって再び命を吹き込まれた。作者は単なる想像でなく命あるプリセイスを呼び起こし、その生を体感したのではないか。そう考えてしまうくらい繊細で脈動を感じる文章に胸を打たれた。”物”扱いされた女性の境遇を一方的に描いただけでない。男たちが女たちへ-ただの戦利品という存在には到底収められない-畏れと渇愛を抱いてしまう様も見事に書かれている。重く悲しみに満ちた小説ではあるが至福の読書時間だった。

  • たまきら

    アメリカで高校に編入した時、最初に習った古典がイリアスとオデッセイでした。ギリシャ神話でも権力者の暴挙っぷりはひどいものですが、それは古典文学でも同じことです。強姦を題材にした「芸術」が山のようにあり、暴力を性的興奮とリンクさせることはいまだに人気なようです。同時に、そこには強姦される側の視点がなく、女(一部男性も)たちは美を賞賛されるものの意見は言わない肉体として扱われているのです…。長編ですがあっという間に引き込まれました。次回作もぜひ出版してほしいです。

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