パオロ・コニェッティ

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フォンターネ 山小屋の生活 新潮クレスト・ブックス

パオロ・コニェッティ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901790
ISBN 10 : 4105901796
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

スマホを捨てよ、山へ出よう。自然と生きる、21世紀版『森の生活』30歳になった僕は、何もかもが枯渇してしまった―。ミラノでの生活に疲れ、本だけを携えてアルプス山麓の山小屋に籠もった作家は、孤独と出会いの中で、書くべき本当の物語を見つける。

【著者紹介】
パオロ・コニェッティ : 1978年ミラノ生まれ。大学で数学を学ぶも中退、ミラノ市立映画学校で学び、映像制作の仕事に携わる。2004年、短篇集『成功する女子のためのマニュアル』で作家デビュー。2012年刊行の短篇集『ソフィアはいつも黒い服を着る』でイタリア文学界の最高峰「ストレーガ賞」の候補となる。初の本格的な長篇小説となる『帰れない山』で、「ストレーガ賞」と同賞ヤング部門をダブル受賞した。幼い頃から父親と登山に親しみ、現在は1年の半分をアルプス山麓で、残りをミラノで過ごしながら執筆活動に専念する

関口英子 : 埼玉県生まれ。翻訳家。『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』で第1回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    ある意味この作家の山の生活を中心としたエッセイのような感じで読んでいました。行き詰ってしまった自分を見つめ直し、本当は孤独に生きるつもりがこの1900メートルにある山小屋の生活で季節が移り替わっていくとともに放牧者たちがやってきてつながりができていきます。その毎日を描いてくれていてそのような生活に縁のない自分がうらやましいと感じています。若干21世紀版ウォルデン(「森の生活」)というのは言い過ぎのような感じでした。

  • buchipanda3

    北イタリア、アルプス山麓の小屋に一人で訪れた男(作家)が綴った四季の日々。行き先のフォンターネには給水場の意味があり、彼は都市で渇ききった己にかつての自分を取り戻すべく訪れたのだ。描かれるのは強靭な生活ではなく自己の弱い姿。若い頃に登山家だった彼でも山では弱さを見せる。そこに共感した。孤独から人を求め、険しい山道に疲れ、むせび泣く。弱さを素直にさらけ出す。しかし山は厳しいが美しい。老アイベックスとの邂逅、マーモットと歌い、山男達と刺激し合う。次の冬を迎えた彼の自然体な姿に素直に心が晴れていくものを感じた。

  • キムチ

    「帰れない山」が良かった筆者、同じく山岳作品。周辺や中身を知ると此処で得たモチーフを膨らませて 前述の作品執筆に繋がった感がある。都会育ちの筆者が仕事、恋愛等で神経が磨滅し モンテローザを眺める標高1900M の集落へ移り住む。あらゆるしがらみから解き放たれ、自然と文字通りの一体化。気ままな自由空間でも不眠になるようで その時は寝袋で大地の闇に寝転がる〜男ならでは?!恐ろしく内省一色の作品〜文中「孤独は鏡の家に似ている。何処に目をやろうと歪んで醜い己の鏡像ばかり際限なく増殖されて・・」とある。孤独を求め

  • ヘラジカ

    傑作『帰れない山』の作者によるアルプスの山小屋滞在記。この生活と体験からあの名作が生まれたと考えると感慨深い。登山の記録や自然観察、自己を見つめる内省的な眼差し、何よりも山で育まれる友情の思い出は、澄んだ空気のように疲れた心を癒してくれる。山奥に住んでいる身でさえそうなのだから、閉塞感ある生活を送っている都会の現代人には痛いほど沁みるのではないか。本を開くとそこにフォンターネの景色が広がるような美しい本だった。優れたイタリア文学が定期的に読めることも、このレーベルを買い続ける理由の一つだ。

  • seacalf

    『帰れない山』がすごく良かったので、その原点も読む。何もかも枯渇してアルプスの山小屋に籠る著者。でも「文章が圧倒的に爽やかで美しい」と椎名誠さんが評するように瑞々しい自然描写と、時々ハッとさせてくれる考察、静かに沁み入ってくる良書だった。著者はミラノに住みながら数ヶ月は山で暮らし、都会的な部分と山での生活を半々に持っているので、山に近しくない人でも読みやすい。マーモットを始め動物達の描写もいい。著者のように樹木へ愛情と知識があれば、山への印象が変わるかもしれない。何度も引用されているソローが読みたくなる。

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