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ひとつ以上の言語

バルバラ・カッサン

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784924671911
ISBN 10 : 4924671916
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

"仏・バイヤール出版社による、シリーズ「小さな講演会 Les petites conferences」は、2004年から刊行されている哲学・思想系の入門的シリーズとなる。本書(バルバラ・カッサン『ひとつ以上の言語』)は、「小さな講演会」シリーズの一冊として、2019年に刊行された。「なぜ自からの言語(母語)とは別の言語を学ばなければならないのか」が、大きなテーマとなる。著者カッサンは言う。「ふたつの言語を話すことで、とても深刻な錯覚に陥ることを避けることができる」。ひとつの言語しかない、自分たちが話す言語しかないと想像できなければ、世界は「凄まじい分裂」に陥る。言語は人間そのものでもある。そしてすべてのひとは「母語」を持ち、それが広がっていくことによって、他の言語と交わり、世界が広がっていく。
複数の言語を知ること――それは、複数の手段を持ち合わせていることでもある。複数の言語とは複数の世界であり、世界へと開かれる複数の方法でもあるのだ。
たとえば、日本語の「こんにちは」という挨拶の言葉は、ギリシア語では「喜んで、喜びを感じて、楽しんで(khaire)」となる。あるいはフランス語では「よい一日でありますように(bon-jour)」、さらにローマ人は語では「元気でいて/健康でいて(vale)」、ヘブライ語では「平和が君とともにありますように(shalom,sam)」となる。挨拶の言葉一つとっても、言語が違えば、そこに込められる意味が異なってくる。それは、その社会の一端を確かに著すものでもある。
「二つの言語を話し、理解することで、自らの言語が唯一のありうる言語ではないこと、それぞれの言語が、どのような意味の激突や融合を生み出すのかを理解することができる」と、バルバラ・カッサンは言う。「世界」は激しく混合し、雑多で、結合と分離からなっている。だからこそ、言語の多様性を知ることによって、人は人を理解し、うちとけることもできる。
 また言語は、たんにコミュニケーションの手段(道具)ではないと、カッサンは強調する。「言語はひとつの文化であり、さまざまな文、異なるリズムからなる世界でもある」。文化こそが言語を決定し、言葉の多様性を広げていくベースとなる。「言語は世界の作者であり、世界の作品であり、世界を発明すること、世界を切り分ける」ができる。
以上のような言語(母語)と世界(人間)をめぐる問題について、子ども向けに、やさしく具体的に、バルバラ・カッサンは語りかける。わが国においては、なかなか「母語」というものを意識する機会はない。そのため、外部(他者)への想像力が貧しくなりがちである。分断が極まりつつある社会で、「ことば」から社会を見る目を、本書を通して養うことができるのではないか。"

【著者紹介】
バルバラ・カッサン : 1947年パリ生れ。哲学者、文献学者。フランス国立科学研究センター研究員を経て現在同センター名誉ディレクター。2018年よりアカデミー・フランセーズ会員

西山雄二 : 1971年愛媛県生まれ。東京都立大学人文社会学部教授。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。20世紀フランス思想・文学

山根佑斗 : 1999年岩手県生まれ。東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース修士課程。東京外国語大学国際社会学部卒業。フランス現代思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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