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独裁と民主政治の社会的起源 下 近代世界形成過程における領主と農民 岩波文庫

バリントン・ムーア

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003423028
ISBN 10 : 400342302X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なぜイギリス・フランス・アメリカでは自由民主主義が成立し,日本やドイツではファシズムを招来したのか.ロシアと中国で共産主義革命が起きた理由は何か.各国が経験した近代化の異なる道筋を,社会経済構造の差に注目して説明した比較歴史分析の名著.下巻では,日本・インドを分析し理論的考察を展開する.(解説・小川有美)(全二冊完結)


目次

第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道(承前)

第五章 アジアのファシズム――日 本
 一 上からの革命――新旧の脅威に対する支配諸階級の対応
 二 農民革命の欠如
 三 明治の解決――新地主層と資本主義
 四 政治的帰結――日本ファシズムの本質

第六章 アジアにおけるデモクラシー ――インドとその平和的変革の代償
 一 インドの経験の有意性(レリバンス)
 二 ムガル帝国時代のインド――デモクラシーを阻むもの
 三 村落社会――農民反乱を阻むもの
 四 イギリスの統治とインド社会の変容 一八五七年まで
 五 イギリスの平和 一八五七年から一九四七年まで――地主の楽園か
 六 非暴力によるブルジョワと農民の結合
 七 農民の暴力の程度とその性格
 八 独立及び平和的変革の代償


第三部 理論的意味と客観化

第七章 近代社会への民主的径路
第八章 上からの革命とファシズム
第九章 農民層と革命
終 章 反動的思想と革命的思想
 補論 統計と保守的歴史叙述についての覚書


原 註
訳 註
訳者あとがき
解 説(小川有美)
参考文献索



【上巻内容】
序文・謝辞
第一部 資本主義デモクラシーの革命的起源
 第一章 イギリス――漸進主義に対する暴力の貢献
 第二章 フランスにおける発展と革命
 第三章 アメリカ南北戦争――最後の資本主義革命
第二部 近代世界に向かうアジアの三つの道
 覚 書 ヨーロッパとアジアの政治過程――比較に際しての諸問題
 第四章 中華帝国の衰退と共産主義型近代化の起源
原 註
訳 註
参考文献

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    下巻も読むのに時間がかかりました。この巻には日本とインドの例を示していて、前者ではアジアのファシズム、後者でデモクラシーについて論じています。ただ若干不満なのは西欧に比較して日本の場合は上からの革命のためにファシズムを育てやすい土壌があったということを述べられています。上からの革命というよりも、ある意味平等性(能力のあるものが力を持つという)があった軍部によるリーダーシップが農民層(当時としては労働者よりも割合が大きい)の支持を受けたということがわたしは大きいと感じました。

  • ステビア

    封建的特権階級・ブルジョワ・農民の力関係によって近代化の様相が決まり、ブルジョワ階級の生成が進まないと資本主義的デモクラシー社会には行きつかないということかなぁ。講座派と同じ問題意識。解説が的確に内容を要約しているので、そこだけでも読む価値がある。

  • Hiroshi

    下巻は日本とインドを分析してからまとめていく。江戸時代が始まった頃はほぼ農民は自作農だった。だが飢饉などで田畑を売り払う者が出てきて、本百姓に対し水呑百姓や名子・譜代・下人という土地を持たない農民もいた。農民が地主となり富裕層ができた。明治になると地租改正で土地所有者が納税者となった。その後も松方デフレや大恐慌で農地を手放す者が出て、終戦時には農民の約半分が小作農であった。明治維新は武士同士の勢力争いであり、階級革命ではない。英仏米の革命とは余りに違う。民主主義・資本主義の一部を取り入れたに過ぎないのだ。

  • politics

    下巻では日本・インドの事例、まとめが収められている。日本はドイツと同様に上からの変革からファシズムに至ったとの図式で描かれているが興味深い記述も多くある。本書ではインドの事例研究が一番の目玉になるのだろう。第3章はこれまでまとめになっており、議論の整理には役立つしドイツ等の事例は挿入されているので大変興味深かった。小川氏の解説にあるように古さはあるものの、博物館展示よりはこれからも読まれる古典であることには変わりないだろう。

  • しゅん

    下巻は日本とインド。日本は多少わかりやすいかと思ったがそうでもなく、苦労する。自身の歴史知識の足りなさが情けなくなる。ただ、社会における力学が革命など、社会を動かすということの意味が、なんとなくわかってきた気がした。

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