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回復する人間 エクス・リブリス

ハン・ガン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090596
ISBN 10 : 4560090599
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。李箱文学賞、マン・ブッカー国際賞受賞作家による珠玉の短篇集。

【著者紹介】
ハン・ガン : 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。1993年、季刊「文学と社会」に詩を発表し、翌年ソウル新聞の新春文芸に短篇小説「赤い碇」が当選し作家としてデビューする。2005年、三つの中篇小説をまとめた『菜食主義者』で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作で2016年にアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞する

斎藤真理子 : 翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳、クレイン)で第一回日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    7つの短篇から構成される。ここにあるのは、まぎれもなく現代の韓国文学なのだが、ややもするとそうであることを忘れてしまいそうになる。訳文の達者なことにもよるのだろうが、それだけテーマや語り方が現代においての普遍性を帯びているからだろう。また、前半の作品などは、日本の1960〜70年代の内向の世代(古井由吉、小川国夫など)を思わせもする。それは、テーマが古いということではなく、抒情の質において似ているように思うのだ。そして、その後に位置する「左手」は、島尾敏雄のシュールレアリスムを連想させもするようだ。⇒

  • 旅するランナー

    痛みがあってこそ回復がある、韓国奇譚7編。あれやこれやの心的外傷を経て成長してきた大人たちの心に沁みてきます。「ただ、イナの歌がいきなり終わったとき、過ぎ去った二十何年かのあいだ押さえつけてきた生々しい渇望が一気にかんぬきをはずして僕の心臓の外へ歩みだしたことを、それがあの暗くみすぼらしい路地裏のまん中に立ちはだかって僕を見つめていることを、認めたのだ」のような美しい言葉が溢れています。

  • 榊原 香織

    短編集。死と再生について。痛々しいけど意外に強いかも。良いなやっぱり

  • buchipanda3

    心臓はずっと動いている。清廉なリズムを刻んで。ただその鼓動は生と死の境目を直に見せるかのようで、どこか心を落ち着かなくさせる。著者が描く物語は自分の身体という存在を鼓動と共に強く意識させるもので、読むうちに人生に伴う苦しさに包まれた。傷を負ったままならない身体(人生)への不安、後悔、自責、そして渇望と絶望。著者の言葉はそれらに繊細にゆっくりと寄り添う。苦痛を誤魔化すのではなく、苦痛を感じたことで自分の生き方に本当に向き合えることを伝えてくる。それこそが回復と再生。尊さと芯の強さを感じさせる想いが胸に響く。

  • ちゃちゃ

    ハン・ガン作品を読むごとに、人間の本質、社会や歴史の真実と真摯に対峙する姿勢に惹かれてゆく。彼女の言葉はあまりにも繊細かつ痛切で、まるで深い傷から鮮血が流れ出ているような生々しさと痛みを伴う。けれど彼女は絶望の淵からも、沈潜する真実を捉えようとする。そこに作家としての強靱さと誠実さ、矜持を感じる。7つの短編いずれにも死の影が色濃く映し出されるが、その暗い影は逆に清冽な生を描く。回復する道筋を探るのは、他ならぬ自分自身なのだ。弱く脆く時には愚かでも、人間への愛と信頼が彼女の作品を貫く思想なのかもしれない。

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