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隆明だもの

ハルノ宵子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794973832
ISBN 10 : 4794973837
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan

Content Description

吉本家は、薄氷を踏むような家族?だった。
長女・ハルノ宵子が、戦後思想界の巨人と呼ばれる父・吉本隆明のことを綴る。
故人を讃えない、型破りな追悼録。
〈ハルノ宵子(長女)と吉本ばなな(次女)による「吉本姉妹対談」も収録〉

【著者紹介】
ハルノ宵子 : 1957年東京都生まれ。漫画家・エッセイスト。父は思想家・詩人の吉本隆明、妹は小説家の吉本ばなな(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    著者は吉本隆明さんの長女。「吉本家は、薄氷を踏むような家族だった」という一文が全てを象徴している。隆明さんと妻の和子さん、次女の吉本ばななさんと(そして、著者自身も)、登場人物のキャラが余りにも立ちすぎて、抱腹絶倒の面白さ。吉本隆明信奉者の幻想を粉砕してしまったのではと著者は心配するが、そんなことはない。ここに描かれている隆明さんの実像には、妙に腑に落ちる納得感がある。父と母を偽悪的に戯画化して描きながらも、深い理解と愛情に支えられた文章は、正に、吉本隆明全集の月報に相応しい素晴らしい連載である。面白い!

  • アキ

    「群れるな。ひとりが一番強い」と父に刷り込まれた長女で漫画家ハルノ宵子の父親に関するエッセイ。娘から見た父親は、タダのオヤジであり、かの吉本隆明でも同じである。吉本家は薄氷を踏むような家族であり、その緊張を長女の多子が和らげていた。天草生まれの隆明が西伊豆の海で溺れた1996年を境に戦前・戦後のランドマークとなり、ボケてからの下の世話も長女がした。しかし父の圧倒的な仕事の量と質、そして何の組織にも属さず大学教授などの定期収入もない中で家族と猫を養い続けてくれた並はずれたパワーに、感謝と尊敬と誇りを感じる。

  • ☆よいこ

    評論家、吉本隆明(たかあき・りゅうめい)の全集が刊行された際に、娘のハルノ宵子(はるのよいこ)が連載していた月報のエッセイをまとめたもの▽戦後思想界の巨人といわれ多くの文筆家著名人と交流して生きた吉本隆明の晩年を、娘視点で赤裸々に語る。理論家でもボケる。母の圧が強く、変わり者夫婦であったこと。長女であるハルノ宵子、次女の吉本ばななの対談あり▽吉本隆明は受験期にいくつか読んだかも?くらいの印象で、小林秀雄のほうが好きだった▽さっぱりした文章で読みやすく介護大変だなと感じつつ読了。2023年発行

  • ネギっ子gen

    【あの隆明が、友達から奥さんを奪ってしまった、と生涯悩んでた】吉本教信者の幻想粉砕本(笑)。書影:著者によるイラストが絶品。本文イラストも良し。父親や家族のことなどを綴った書。妹・ばななとの対談も収録。「吉本隆明全集」の月報連載等に加筆。宵子は、<詩はいつだって根底にあった。父の書物は、すべてに見える――と言ったら、私は頭のヘンな人だろうか。初期の正に人々を凍らせ、未来ある若者をドロップアウトに引きずり込むような、瑞々しくも暴力的な詩のことばは、なりをひそめても、詩と科学と霊性が、父の思想の地下水>と。⇒

  • nonpono

    妹の吉本ばなながデビュー前に糸井重里のお団子屋さんでバイトをしていたのは知っていたが、糸井重里がお父さんの吉本隆明に会いにお家に顔を出していたのですね。いろんな人の溜まり場だった吉本家。お父さんの吉本隆明の著作も読んだことがなく、オウムのときのおぼろげな印象と映画「全身小説家」の井上光晴の盟友として出ていて、瀬戸内寂聴に一言を申したのが印象的。その一言が本質をまさに突いていた。「大学教授などの定期収入も、社会的保証もステータスもない中で、家族と猫を養い続けてくれたパワー」は凄い。だからこその自由な言論か。

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