ハインリヒ・プレティヒャ

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中世への旅 都市と庶民 白水uブックス

ハインリヒ・プレティヒャ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560721353
ISBN 10 : 4560721351
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

中世後期、時代の担い手は騎士から市民へと交代している。本書では、市民・農民から最下層民まで、都市に住むさまざまな職業の人々とその暮らし、市民精神を、年代記などの記述や当時の木版画・細密画に見ていく。

目次 : シャッターがカチリと鳴って落ちるとき/ ローマ人の町と野生の根―中世都市の生成について/ 「いささか性悪で冬にはたいそう深く…」―都市の道路で/ 結婚式の披露宴に六皿の料理―市民の家における日常と祝祭/ 囚人のフェルト帽―民衆の敬虔さと救護/ 一ペニヒでソーセージ二本―豪商と小売商人について/ 振り子職人と錫鋳職人―手工業者とツンフトについて/ 皮剥ぎ人のナイフ―忌まれた職業と賎民について/ さらし台と絞首台のあいだ―中世の司法について/ 教会のドアの前で大口をあける地獄―復活祭劇から職匠歌へ/ 「菜っ葉はウィトゥスの日、えんどう豆はグレゴリウスの日に」―農民の日常と労働について/ 王侯の敵手―都市同盟と都市の政策について/ ただ一つのほんとうの大都市―ヨーロッパの諸都市について

【著者紹介】
ハインリヒ・プレティヒャ : 1924年生。歴史学専攻。高校教育の現場にあって、マティアス・グリューネヴァルト高等学校(ヴュルツブルク)校長等を歴任

関楠生 : 1924年生、ドイツ文学者。東京大学名誉教授、獨協大学名誉教授。児童文学や古代史に関する訳書、歴史読み物の著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    日本の室町後期から戦国時代にあたるドイツでは、騎士が没落し自治権を獲得した自由都市が繫栄した。商人や職人、農民に官吏、賤民に至るまで多くの民衆が集まり独自の法規と慣習と風俗に基づく世界を築いたため強力な統一政府の成立が遅れ、ドイツ人の性向を規定して今日に至る連邦制国家の基礎が築かれた。戦争と貧困と疫病と宗教の圧迫に晒されながらも、市民は「都市の空気は自由にする」との格言が生まれた自由を得ていた状況がよくわかる。自由を守るため諸都市は皇帝や王と戦い、同盟を結んで対抗した有様は日本史にはない明るさすら感じる。

  • Shun

    シリーズ2冊目は都市の構造や庶民生活が垣間見える。騎士にフォーカスした時代からやや時代が進み、中世の人々の主な暮らしはこちらで紹介される庶民たちにこそ真髄があるようです。そして騎士の存在には特別なものを感じていたが騎士の生活にも当然貧富の差が存在し、騎士と認められていても日々の暮らしには庶民のそれと何ら隔たりのない者が多数であると知った。また庶民といっても様々な職種が存在し、中でもクラフト系の細分化された仕事には目を引くものがあり厳しいルールで成り立っていた。現代並みにコンプライアンスは重要ということか。

  • 加納恭史

    さて、ナイスデイのストレッチの歩行練習毎日5分。二三日でやや足取りが軽くなったかな。本当はジムで説明を受けると良いのだが、そこまではな。読書はあんまり進まなかったか。中世の様子を語る高校生向きの歴史書だな。簡単そうだが内容は深い。都市の生成と庶民の暮らしの話。中世では商人や手工業の発展。ゴシック建築も教会や修道院や都市で流行った。フリーメーソンにも繋がる。江戸時代のの様に公衆浴場も流行ったらしいが廃れたようだ。現代と違い城も住居も窓は小さくどうも不衛生だったようだ。現代ほど便利でなく商業も船の交易が盛ん。

  • Akito Yoshiue

    姉妹編の『騎士と城』と比べると題材が地味だが論旨が明確で説明が上手いので最後まで興味深く読める。あとがきにもあるように阿部謹也の著作で扱われていた内容もあった。刑罰や差別意識などは室町時代の日本と被るところもあって興味深かった。

  • Tomozuki Kibe

    都市市民と農民。さらに網野風にいうと「みちみちのともがら」の話。白眉は死刑執行人ら専業とされているもの。「世の中で嫌なことをしてくれているのだからそれを白眼視はおかしい」ごもっとも(水滸伝の世界では死刑執行人の帰途はパレードだけど)。専業者と少しでも触れるとツンフト追放=社会的に抹殺。死刑執行人が医学にも精通てのは「死刑執行人サンソン」の世界だな。「これほど見せしめしても罪が減らなかった、ということが死刑廃止論の背景」ううむ。死刑てのは感情論なんだといわれると痛い。

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