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フォレスト・ダーク エクス・リブリス

ニコール・クラウス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560090763
ISBN 10 : 4560090769
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ニューヨークで暮らす作家のニコールは、仕事も家庭生活もスランプに陥っている。閉塞感のなか、現実だと思っているいまの暮らしは夢なのではないかと思いつめ、かつて現実と非現実が交錯する経験をしたテルアビブのヒルトンホテルに飛ぶ。そこで大学の元教授を名乗るフリードマンに出会い、“イスラエルでのカフカの第二の人生”にまつわる仕事を依頼されたことから、夢と現実が交錯する体験をすることに。一方、同じくニューヨークで弁護士として成功してきたエプスティーンは、高齢の両親を相次いで亡くしたことから、盤石なはずの人生にふと疑問を感じるようになる。仕事にも趣味にも精力を注ぎ人生を謳歌するうちに、なにか大事なものを見落としてきたのではないか?彼はすべてを捨て、生まれ故郷テルアビブへと旅立つ。イスラエルの砂漠で、それぞれの自身と向き合う初老の男と人生半ばの女。喪失と変容をめぐる瞑想を、深い洞察と挑戦的構成で描く大人の自分探し。

【著者紹介】
ニコール・クラウス : 1974年、ニューヨーク生まれ。十代から詩作を始め、スタンフォード大学在学中に詩人ヨシフ・ブロツキーに出会い師事。2002年の長篇デビュー作『2/3の不在』がロサンゼルス・タイムズ文学賞の最終候補作となり、一躍注目を集める。『ヒストリー・オブ・ラブ』(2005)はサローヤン国際文学賞とフランス翻訳小説賞を受賞、Great House(2010)は全米図書賞の候補作、オレンジ賞の最終候補作に選出された。2017年発表の本書『フォレスト・ダーク』は構造・テーマともさらに深めた意欲作で、「これまでの長篇のなかでも最も核心に迫る」と高く評された。初の短篇集To Be a Man(2020)はウィンゲート文学賞を受賞。クラウスの作品は、これまでに37カ国語に翻訳されている。2020年、コロンビア大学ザッカーマン神経科学研究所初のライター・イン・レジデンスとなる。2021年には優れたユダヤ文学に贈られるサミ・ロア賞を受賞

広瀬恭子 : 翻訳家。国際基督教大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buchipanda3

    68歳の男性と39歳の女性、成功を収めた二人が、ふと現実への懐疑心を持ち、原点となるテルアビブに向かう物語。誰もが人生の半ばで感じる不安。これでいいのか、ここは楽園か。居続けて良いのか。問いの答えを求めるべく綴られる文章は詩的で理知的で深みがありながら、理屈を積み上げる自身へのユーモアがあり、親しみが感じられ魅力的だった。話は奇妙。カフカの別の人生や砂漠の国の深い森という非現実が現実を映し出す。森を彷徨うのは悪いことではなく、一本の道が解でもない。迷いと休みが本来へと向かわせる。著者の語りからそう感じた。

  • ヘラジカ

    人生と自己を見つめなおす探求の冒険。ユダヤ神学、民族のルーツや大作家カフカの生涯が絡まりあいながら多層的に築かれていく物語は、終始淡々としているものの、全容が見られないほどに奥深く壮麗ですらある。それこそカフカを思い起こす形而上学的な問いかけの数々に、理解や消化が追い付かないながらも不思議と魅了された。不穏にして神秘的な作品。終盤やラストの解釈について訳者あとがきではあまり触れられていなかったので他の誰かの意見を聞きたいところ。カフカの小説を読み直してから再読したい。

  • 星落秋風五丈原

    ニューヨークで暮らす作家のニコールは、仕事も家庭生活もスランプに陥っている。閉塞感のなか、現実だと思っているいまの暮らしは夢なのではないかと思いつめ、かつて現実と非現実が交錯する経験をしたテルアビブのホテルに飛ぶ。同じくニューヨークで弁護士として成功してきたエプスティーンは、高齢の両親を相次いで亡くしたことから、盤石なはずの人生にふと疑問を感じるようになる。仕事にも趣味にも精力を注ぎ人生を謳歌するうちに、なにか大事なものを見落としてきたのではないか?確かに筋がわかりづらかった。

  • りつこ

    「ヒストリー・オブ・ラブ」が大大大好きなので、同じようなめくるめく物語を期待して読んだのだが、こちらは宗教や民族や自分自身についての思索を深める作品だった。作者自身を思わせる女性作家と成功を収めた初老の男が生まれ故郷テルアビブを訪れ自分探し。作家は謎の老人から亡きあとのカフカの人生を書くように資料を渡される。初老の男は自分の財産をどんどん手放した挙句行方不明になる。 何が起きたかよりも自分自身の中で何を見つめ何を見失ったのかに焦点が当たる。自分のことさえ分からないのだから誰とも分かり合えるはずないか。

  • Mark.jr

    "自分探し"と解説にも裏表紙の粗筋にも書いてますが、むしろ年を取っても、旅に出ても、自分ということさえも分からない、という話に思えました。

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